この状況を改善するために、PV-Netでは、住宅の居住者自身や近隣地域で協力して保守・点検の一部を実施できるような「セルフメンテナンス」に取り組んでいます。現在は、手法や体制を作り上げている段階です。

運用・保守に関するさまざまな取り組みを重ねてきた
(出所:PV-Net)

 「セルフメンテナンス」は、初期段階の不具合などを把握し、対応することで、発電量の低下や事故の発生を予防するためのものです。また、固定価格買取制度(FIT)による買取期間が終了した後、発電所が使われずに放置されるケースも懸念されますが、そうした状況をなくし、継承的に利用されることを目指しています。

 こうした活動が可能なのは、PV-Netの発足当初から、産業技術総合研究所の協力を得ながら、太陽光発電システムの「健康診断」を実施し、会員自身がそれぞれの発電システムの維持・管理に努めてきたからです。

 「健康診断」では、該当する発電システムの推定発電量と実発電量、近隣に住む他の会員の実発電量を比較します。この結果を元に、会員それぞれが自身の太陽光発電システムの維持・管理を模索してきました。

 今回の報告書では、再三にわたって、住宅用太陽光を使った発電や売電に対して、発電事業者としての意識を持ち、点検などの義務を負う点について、消費者に対して改めて情報を提供すべきと強調しています。

 しかし、現状は、業者側の体制が整備されておらず、実効性に疑問があります。点検業者の多くは採算性や危険性などを理由に、住宅用太陽光へのサービスを敬遠しています。

 こうした状況は、「政策担当者や関連業者の怠慢」と批判するだけでは変わりません。

 そこで、消費者であり、発電事業者でもある意識を十分に持った居住者を育て、自主的な保守・点検を促すことが重要です。こうした「プロシューマー」が、運営・管理の一部を担う形になるのが理想です。

【PV-Netによる被災地での活動】