――報告書が明らかにした問題点は、これまでもある程度、わかっていながら、向き合う余裕がなかったり、向き合うことを避けてきたりした問題とは言えませんか。

都筑 日本の産業界と個人の消費者の関係で問題なのは、消費者はメーカーにすべて任せっきりで依存するような関係にあることです。家電などが象徴的です。

 メーカーは、こうした消費者の「メーカー任せ」に甘え、システムを一式丸ごと請け負うような、自分たちに効率の良い仕組みや商材を販売することばかりに執着し、個別の対応などコスト効率が一見、悪く見えるような取り組みを避ける傾向にあります。

 今回の報告書が指摘した問題に取り組むことは、こうした関係を打破するチャンスになるとも考えています。

PV-Netの都筑代表理事
(出所:日経BP)

 住宅太陽光発電システムでは、居住者が自主的に保守・点検していく方向に変わるべきです。そこでは、居住者の知識や自主性が問われます。発電システムに対する責任感も、格段に増すでしょう。

 こうした状況が実現すれば、太陽光発電としてのあるべき姿に近づくだけでなく、自立した消費者とメーカーの関係にも近づくのではないでしょうか。

 その結果、不具合の責任をメーカーや設置事業者だけに押し付けるような状況は変わり、消費者の側からも、不具合を防ぐ工夫が、当たり前になるかもしれません。

 今回の報告書では、保守・点検の実施状況も調査されました。そこでは、「業者による保守・点検を実施していない」という回答が71%もありました。

 これは、太陽光発電システムが当初、「メンテナンスフリー」という誤った印象を強調して販売されていた頃の思想のまま、大量に導入が進んだことが背景にあると感じます。

 住宅太陽光を導入した居住者は、発電した電気の利用者だけでなく、発電事業者でもあります。われわれはこうした側面を「太陽光のプロシューマー」と呼んでいます。

 しかし、これまで、消費者の意識ばかりで、発電事業者の自覚には乏しい場合がほとんどでした。これでは、「プロシューマー」とは言えません。