――バイパスダイオードの不具合の取り扱いにも、問題がありそうです。

都筑 報告書では、バイパスダイオードの不具合による発火のリスクが、太陽光パネルの設置形態と関連させて記述されました。すなわち、「鋼板等なし型」での発火リスクを低減すべきとしています。

 しかし、「鋼板等なし型」以外の、発火には至りにくいとされた設置形態でも、バイパスダイオードの不具合は数多く確認されています。設置形態による不具合ではなく、バイパスダイオードの不具合と捉えるべきです。

 バイパスダイオードの不具合は、発火リスクという安全上の問題だけでなく、発電量の低下につながり、売電収入に影響する可能性もあります。パネルメーカーは、こうした問題による不具合を把握し、ダイオードの種類を変えることで是正する措置を講じました。

 こうした状況があるのですから、パネルと住宅メーカーは、この不具合に優先的に対応し、安全の確保と発電量の回復に務めるべきです。

PV-Netの都筑代表理事
(出所:日経BP)

 また、報告書では、最終的な発火プロセスとして「アーク放電」の発生を挙げています。この現象への対応にも、問題を感じます。

 現状では、絶縁不良や接触不良が原因で起こるアーク放電による異常発熱故障であるアークフォルトを監視する装置を使うことが有効でしょう。この装置を普及させることで、火災対策とすることができます。

――技術的な面から解決策は考えられますか。

 米国では、マイクロインバーター、オプティマイザーなど、太陽光パネルごとに超小型パワーコンディショナー(PCS)や変圧器を搭載する手法が広がっています。発電量の増加だけでなく、パネルに起因する火災を防ぐという安全面の利点からです。

 パネルに不具合が起きたときには、マイクロインバーターなどを使ってパネル単位で発電を停止できます。これを遠隔で制御できる仕組みを「ラピッドシャットダウン」と呼び、米国で規格化されています。

 こうした技術やの手法は、国内ではごく一部の採用に留まっています。米メーカーが主導しており、日本メーカーはコストアップの要因になることを強調し、真剣に取り組んでいないように見えます。

 しかし、安全面でも、発電量にも効果的な手法ですから、ユーザーの利点を考えて、日本でも積極的に検討すべきだと感じます。