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特集

「雑草の繁殖戦略に除草剤で対抗する」。緑地雑草科学研究所・理事に聞く(第4回)(page 5)

メガソーラービジネス・インタビュー

2017/03/29 05:00
金子憲治=日経BPクリーンテック研究所
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雑草は「地下」で長生き

緑地雑草科学研究所の伊藤操子・理事(京都大学名誉教授)
(出所:日経BP)

――ひと口に雑草と言っても多くの種類があります。雑草植生の変化に応じて、除草剤を変える必要があるのですね。

伊藤(操) 雑草は、分類学的にいうと、キク科とイネ科が多く、生活史としては一年生と多年生、繁殖様式としては種子繁殖と栄養繁殖、生育周期としては冬雑草と夏雑草があります。これらの違いに基づき、除草剤の種類、処理方法や時期を決める必要があります。

――10MWを超えるような広大な面積を持つメガソ-ラーの場合、伸びた雑草を刈り取る先から、最初に刈った場所にまた雑草が生えてくる、とのため息も聞かれます。薬剤による除草でも、そうしたことになりませんか?

伊藤(操) 機械除草の場合、「刈っても、刈っても生えてくる」のは、雑草の「繁殖戦略」に効果的に対抗できていないからです。その戦略とは、「地下」です。

 雑草の多くは、短期間に小粒で多数の種を付けます。これらが地面にばらまかれ、種子の状態で休眠しています。また、多年生の雑草は、地下深くに広く栄養繁殖器官を張っていて、休眠芽があります。つまり地下は繁殖体の宝庫で、雑草は地下で長生きしています。

 機械除草で地上部分の茎や葉を刈り取っても、地下で生きている雑草を根絶できません。むしろ、刈り取りを繰り返していくと、一年生雑草が衰退し、より大型の多年生雑草を優勢にする可能性もあります。多年生は地上部分を刈るほど、防衛的に地下の栄養繁殖移器官が広がっていく傾向もあります。

 除草剤であれば、こうした雑草の繁殖戦略にも対抗できます。土壌処理剤の土壌残効性を利用すれば、一定期間、雑草を発生させないことも可能です。また、地下部への移行性の高い薬剤を使えば、多年生雑草の地下からの再生を阻止できます。

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