デンケンは、大分県由布市に本社を置き、半導体の検査装置などを製造・販売するとともに、半導体や電子デバイスの試作や製造、検査なども請け負ってきた。固定価格買取制度(FIT)がはじまってからは、太陽光発電事業のほか、EPC(設計・調達・施工)やO&M(運用・保守)サービスにも参入。加えて、新電力おおいたを設立し、大分全域に再エネ電力の地産地消を目指す地域新電力の輪を広げる中心的な存在となっている(関連コラム)。デンケンの太陽光発電関連事業を率い、新電力おおいたの代表取締役も務めるデンケンの山野健治常務取締役に聞いた。

――デンケンの太陽光発電事業の経緯や概要を教えてください。

 大分県には、エレクトロニクスやカメラなどの大手メーカーの半導体デバイス工場がいくつもあります。これらの大企業による需要に支えられ、デンケンは成長してきました。

 しかし、電子機器や半導体の分野は、好不況の波が大きいという課題があります。また、アジアメーカーの台頭にも押されてきました。

 そこで、他の分野で新たな柱を育てることに取り組んできました。そうした中で、医療機器や健康関連機器、レンタル自転車の駐輪場総合管理システム、板金や機械加工などの分野で一定の成果を上げてきました。いずれも、自社で従来から持っていた技術や知見を、応用したもので、太陽光発電事業もその一つです。

 開発した太陽光発電所は、地元の大分県を中心に、27カ所・合計出力33MWあります。このうち11カ所・合計出力22MWは、自社が発電事業者として開発・運営している発電所で、残りの16カ所・合計出力11MWは、他社が発電事業者となっている発電所の開発やEPC、施工を担当しました(竹田市の約1.55MWの施工案件の関連ニュース)。

 自社で運営している太陽光発電所は、ほとんど高圧配電線に連系するものです。1カ所だけ山口県防府市で出力約12MWの特別高圧送電線に連系しているメガソーラーがあります(防府市の約12MWの関連ニュース)。一方、EPCサービスの受託案件では、低圧配電線に連系する発電所の実績もあります。

 新電力おおいたを運営していることから、デンケンが開発した太陽光発電所のうち、現在は7カ所の高圧連系の発電所が、新電力おおいたに売電しています(図1)。

図1●7カ所の太陽光発電所は新電力おおいたに売電
この図の作成時から、電力需要がさらに増加し、2カ所を追加した。山野常務は、新電力おおいたの代表取締役も務める(出所:新電力おおいた)
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