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「独自の検査に合格したパネルしか採用しません」、デンケンの太陽光発電事業(page 5)

メガソーラービジネス・インタビュー

2019/02/06 05:00
加藤 伸一=日経BP総研 クリーンテックラボ
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――九州本土では、2018年10月中旬以降、出力抑制(出力制御)が実施されました。発電所における状況や影響を教えてください。

 現在、運営している太陽光発電所は、ほとんどが九州本土にあります。出力抑制は、そのすべての発電所で、2018年に2回ずつ経験しました。

 今年も年明けの1月3日に、熊本県阿蘇市にある発電所が3回目の出力抑制の対象となりました。いずれも、午前9時から午後4時の間、送電を止めるという抑制です。

 九州電力は、出力抑制の2日前に、ホームページ上で抑制の可能性を予告します。そして、その翌日となる、抑制の前日の午後に、出力抑制の対象となる太陽光発電所に通知します。

 デンケンの太陽光発電所はすべて、出力抑制に備えて、PCSの遠隔監視システムにソフトウェアを追加することで、PCSを遠隔制御できるように準備していました。

 このため、電気主任技術者などが現地に向かうといった手間を要せずに、遠隔制御でPCSを停止、再稼働できています。

 このほか、年明けの今年1月3日には、大分県竹田市にあるO&Mを受託している発電所も、出力抑制の対象となりました。

 竹田市のこの発電所だけは、人手でPCSを制御しています。この理由は、立地上、通信状況が悪く、遠隔制御が確実に機能するかどうか不確実なために、遠隔制御の機能を使わないようにしています。

 三が日に実施される出力制御だったことから、通知された1月2日の午後には、担当者が親戚周りなどでお酒を飲んでいて、発電所に向かうことが難しい可能性がありました。

 しかし、この担当者は、出力抑制の可能性を考慮し、三が日にもかかわらず、飲酒を伴いそうな予定を入れないでいたとのことです。翌朝、発電所に向かい、出力抑制が求められている午前9時前から現場で待機し、直前まで発電を続けられるようなタイミングで、手動でPCSの稼働を止めたとのことでした。

――出力抑制が発電事業に与える影響は、どの程度見込まれますか。

 現状については、出力抑制の規模や回数は、想定していた範囲内に収まっています。ただし、今後、九電管内にさらに新規の太陽光発電所が稼働してくると、状況は変わってくるかもしれません。

 デンケンの太陽光発電所の実績については、事業計画の元となっている、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の日射量データベースを使った予測に比べて、軒並み2~3%の上振れで推移しています。NEDOのデータ収集時に比べ、大気の状態がきれいになってきていることもプラスに働いていると感じています。

 このために、年内にそれぞれ2回ずつ出力抑制を受けても、事業計画を下回ってはいません。今後も、春と秋の土曜・日曜・祝日に出力抑制が実施されても、輪番で発電所ごとに月1回のペースなどと想定できますので、当面、大きな問題は生じないでしょう。

 とはいえ、将来、九電管内に稼働する太陽光発電所が大幅に増えてきた段階になると、この範囲に収まらず、平日にも出力抑制が実施されるかもしれません。そうなると日常的に出力が抑制されることになり、事業計画を下回る恐れがあると危惧しています。

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