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「独自の検査に合格したパネルしか採用しません」、デンケンの太陽光発電事業(page 2)

メガソーラービジネス・インタビュー

2019/02/06 05:00
加藤 伸一=日経BP総研 クリーンテックラボ
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――太陽光発電事業におけるデンケンの特徴は、どのような点にありますか。

 太陽光発電関連では、従来から太陽電池セル(発電素子)検査装置を手がけていました。日本や韓国の結晶シリコン型の太陽電池セル、太陽光パネルの大手メーカーの多くが、デンケンのセル検査装置を採用しています。

 このセル検査装置の事業で培ってきた知見によって、太陽電池セルやパネルの評価には自信があります。例えば、デンケンが開発している太陽光発電所では、自社独自の基準を満たした太陽光パネル以外は採用していません。

 これまで採用を検討してきた太陽光パネルメーカーに対しては、われわれの基準を満たしたパネル以外は受け取らないことを条件に、交渉してきました。品質面の確認では、例えば、通常のメーカーの出荷時の検査にわれわれが立ち会った上で、さらに、納入時にデンケンの本社工場内での受け入れ検査も行います。

 デンケンの本社工場内において、納入される太陽光パネルのI-V(電流-電圧)特性の測定や、EL(エレクトロルミネセンス)検査を実施します(図2)。ここで所定の特性を満たしていなかったり、パネルメーカーに求めた独自基準を超えたクラック(微細な割れ)を含むセルが見つかったパネルは、メーカーに返品しています。

図2●取材時も本社工場内でEL検査を実施中だった
(出所:日経BP)
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 クラックについては、セル内に生じている本数や、場所、角度、長さなどで、独自の基準を設けています。セル検査装置事業の経験から、クラックの状況により、性能や安全性などへの長期的な影響度合いを把握しているからです。

 こうした採用方針を示すと、ほとんどの太陽光パネルメーカーは対応できないと答えてきました。製品やコスト、企業としての信頼感などの条件を満たし、かつ、メーカーがわれわれの採用方針を受け入れたのは、唯一、中国のインリー・グリーンエナジーのみです。このため、自社開発した太陽光発電所で採用したパネルは、ほぼすべてインリー製となっています。

 パワーコンディショナー(PCS)については、もう少しメーカーの方針を尊重した基準としています。基本的に、富士電機製を採用していますが、EPCを担当した発電所のうち2カ所では、連系出力に近い出力600kWの機種がないことから、東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を採用しました。

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