トラブル

点検時の歩行すら危険、斜面下ギリギリまで太陽光パネルを配置(page 2)

エネテク 第12回

2018/06/21 05:00
加藤 伸一=日経BP総研 クリーンテックラボ
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配線は強く張り、むき出しで束ねる

 もう一つ、危険を感じたのは、太陽光パネル同士を接続している電線が、強いテンションで張るように配線されていたことだった(図3)。

図3●強いテンションで張られた電線
何らかの理由で引っ張り応力がかかった場合、切断するリスクが高い(出所:エネテク)
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 何らかの理由によって、たるませずに、あえて強く張って設置していたように見えたとしている。

 転げ落ちるような場所なので、落ちた拍子に触れて切断したり、歩いている間に足で引っかけて切断するといった損傷が起きかねない。何らかの理由で引っ張り応力がかかれば、簡単に切れてしまうのではないかという。

 しかも、電線が束ねられている場所でも、一般的な太陽光発電所で使われているような樹脂製の配管が使われていなかった(図4)。電線がそのままむき出しの状態だった。小動物や鳥に電線の被覆をかじられて、銅線が剥き出しになってしまう恐れがある。

図4●電線はむき出しで束ねられている
小動物や鳥に被覆を齧られるリスクがある(出所:エネテク)
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 また、接続箱にも、樹脂製の配管を通さずに配線しているので、接続箱の配線口は開きっぱなしで、水分や小動物が入り込んでしまう恐れがあった。

 さらに、接続箱内の水抜き穴からアース線を通しており、そのために水抜き穴が備える浸水防止用の部品を外していたことでも、水分の入りやすさが増していた。

 しかも、接続箱は、低い位置に設置されていたので、さらにこのリスクが高く、実際に接続箱内の端子は錆びていた。

 同じ発電所内で、三つのトラブルが生じていたことを紹介したが、このように設計や施工に大きな問題を感じる発電所では、複数のトラブルが起きていることを発見することが多いようだ。

 初期投資をできるだけ抑えることの重要性は理解できるが、発電開始後、短期間にトラブルが連発したり、安全性が十分に配慮されていないために適切に保守できないことにより、長い目で見ると、事業性を損なう場合があることに気付いてほしいという。


【エネテクによるトラブル・シューティング】
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