今回のシリーズでは、エネテク(愛知県小牧市)が、太陽光発電所の点検やO&M(運用・保守)サービスを担う中で対応してきたトラブル事例を紹介している。同社は、2007年に設立された電気設備工事会社で、太陽光発電の施工も多く担当してきた。O&Mサービスでは、点検時に原因分析だけでなく、状況によっては、その場で不具合の原因を解消するといったワンストップの対応が特徴となっている(関連コラム)。

 前々回から2回にわたって、接続箱の配線が不適切だったために起きたトラブルを取り上げた。「端子の錆び」や、地盤沈下と連動して配線が抜け落ちたことによる「まる焦げ」の事例である。今回は、小動物などの侵入による発電の停止を紹介する。

 原因となる不適切な配線は、いずれも同じである。接続箱に入出力する配線に保護管を使っていない場合や、あるいは、保護管を使っていても、保護管を配線穴に固定せずにゆるゆると差し込んでいるだけだったり、配線穴と電線の隙間をパテで埋めていないといった施工である。いずれも、接続箱の施工不良の代表例の一つとなっている。

 通常は、樹脂製などの保護用パイプに電線を通した上、固定具を使って保護管を接続箱の配線穴に適切に固定する。さらに、配線穴と電線の間にできる隙間を、パテを使って埋める。この施工を省くと、小動物が侵入しやすい。

 エネテクが点検や調査を依頼された例では、太陽光発電所の現地に出向いて発電設備を調べてみると、接続箱をはじめ、発電設備の筐体の中からさまざまな小動物が死んでいるのが発見されている。撮影した画像が残っているだけでも、ネズミやスズメ、カエルやアリの例がある(図1)。

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図1●ネズミが侵入していた接続箱
ネズミが死んでいた場所の端子が焦げていた(出所:エネテク)
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 いずれも、配線穴の隙間をパテで埋めていない機器だったことから、この隙間から侵入したと推察できる。

 ネズミの侵入例では、接続箱内へネズミが入った後、ネズミが端子などに触れたことで短絡し、感電して死んでいた。死骸を取り除いてみると、一つの端子やその周辺が焦げていた。しかし、発電は続いていた。

 発電が続いていたといっても、焦げていた部分などでは抵抗が増していることが予想される。そのまま稼働を続けていると、発電に異常をきたしたり、最悪の場合、発火につながる恐れがある。

 

 スズメの例では、接続箱の稼働には異常が見られなかったものの、接続箱内で2羽のスズメが死んでいた(図2)。

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図2●スズメが侵入した接続箱
発電に異常は生じていなかったが、二羽のスズメが死んでいた(出所:エネテク)
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