トラブル

「メガソーラーの反射光で熱中症!?」、姫路訴訟のてん末(page 5)

「受忍限度」を超えていたか否かで攻防、和解に至らず

2018/05/16 05:00
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ
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生活空間の温度は市内の平均値

 2016年11月、これらの主張に対し被告は、主に2つの点から反論した。1つは、「受忍限度を超えるかどうかは、生活空間の気温を問題にすべきで、2階リビングの入り口付近と机上の温度は、出窓に比べて大幅に低い」。2つ目に、出窓空間での温度変化の原因として、パネルからの反射光よりも、植樹による直射光の変化が作用していることを指摘した。

 原告の提出した2015年夏の2階リビングの気温データでは、(1)2階入り口付近、(2)机上、(3)三角窓、(4)出窓、(5)ベランダの5カ所の測定結果を記録していた。原告は、その中で太陽光パネルの反射光が入る東側出窓の急激な温度上昇を問題視した。

 一方、被告側は、生活空間として重視する場所は、2階「入り口付近」と「机上」であることは明らか、とした。原告のデータを見ると、この2カ所の気温は出窓に比べて10度程度も低いことから、「受忍限度は超えていない」とした。

 これに対し原告は2017年1月、「出窓で高温になった空気は上に上昇して、部屋全体に広がる。出窓と部屋の温度が異なるのは、真夏に部屋を閉め切って過ごすのは不可能だからであって、大規模植樹の前後における気温差からパネルからの反射光の影響は明らか。原告と妻が熱中症と診断されたことからも受忍限度を超えていた」と反論した。

 さらにこれに対し被告は、翌2月、「2015年6~8月の3カ月間で、2階入り口付近と机上で30度を超えたのはわずか6日で、これは姫路市内の平均気温と有意な差がなく、受忍限度を超えていない」。また、原告が真夏にエアコンを使わずに生活していたことも指摘し、「熱中症と太陽光パネルからの反射光とは因果関係はない」と反論した。

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