トラブル

「メガソーラーの反射光で熱中症!?」、姫路訴訟のてん末(page 3)

「受忍限度」を超えていたか否かで攻防、和解に至らず

2018/05/16 05:00
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ
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2度目の植樹で反射光は入らず

 損害賠償とパネルの一部撤去を求める原告の訴えに対し、まずJAG国際エナジーは以下のような内容の答弁書を提出し、反論した。

 「発電事業の主体である姫路ソーラーウェイ合同会社とは資本関係がなく、太陽光発電所の引き渡しまでの間の支援業務を受託したに過ぎない(パネルの所有者でも占有者でもない)」「パネルによる住宅への反射光の影響は予測できなかった」「植樹と遮光ネットの設置で、遮光効果は得られている」―――。また、部屋の温度データに関して、測定時の詳しい状況を提出することなども求めた。

 これに対し、原告側は、「JAG国際エナジーは発電事業主に代わって開発業務を行っており、第3者に与えた損害を補償する立場にある(発電事業主との共同不法行為が成立する)」、「反射光の影響を予測できなかったとすれば、専門事業者として重過失となる」「遮光ネットは機能しておらず、十分な遮光効果を果たしていない」などと反論した。

 この後、原告は、SPCも被告に加えたため、JAG国際エナジーの立場に関する論議は、実質的な争点ではなくなった。

 こうしたやり取りのなか、2016年3月、JAG国際エナジーは原告宅の前に、最初の植樹よりも大きな高木を大規模に追加的に植樹した(図4)。その結果、2階にはほとんど反射光が入らなくなった。JAG国際エナジーは、この2度目に大規模な植樹に関し、答弁書で「反射光の被害は立証されていないが、被告が被害の存在を主張していることをかんがみ、将来において反射光被害が発生する可能性をなくすべく植樹した」と説明している。

図4●2回目の大規模な植樹で反射光は入らなくなった
(出所:日経BP)
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 一方、原告はこの追加的な植樹に関して、「高い木を何本も植えたことにより、2階には反射光がほとんど入らなくなったことで、反射光の影響に関して検証できなくなった」とし、立証妨害であると批判した。

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