トラブル

「メガソーラーの反射光で熱中症!?」、姫路訴訟のてん末(page 2)

「受忍限度」を超えていたか否かで攻防、和解に至らず

2018/05/16 05:00
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ
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西側住宅への反射は予想できたか?

 問題となったメガソーラーは、太陽光パネルの設置容量1224kW、パワーコンディショナー(PCS)の定格出力990kWで、住宅地とため池に挟まれた埋立地に建設された。結晶シリコン型パネルを横向きに縦6段の大面積アレイ(パネルの設置単位)とし、設置角15度で南向きに設置した(図2)。

図2●縦6段の大面積アレイを設置角15度で南向きに設置した
(出所:日経BP)
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 日本アジアグループ子会社のJAG国際エナジーが開発支援業務を担い、発電事業の主体はSPC(特別目的会社)である「姫路ソーラーウェイ合同会社」。この合同会社に対し、一般社団法人・エナジーエクスプローラーが持分出資を行い、他に匿名組合出資により資金を調達した。施工は東光電気工事が担当し、完成後のO&M(運営・保守)は、日本アジアグループ子会社のJAGパワーエンジニアリングが請け負っている。

 これは、金融用語で「GK-TKスキーム」と呼ばれる仕組みで、ファンドの形で資金を集める場合に採用されることが多い(関連記事)。

 原告が提出した訴状によると、建設工事が始まり、2014年6月に太陽光パネルが設置されて以降、原告の住宅2階の東側窓から反射光が入るようになった。6月には部屋の温度は40℃、7月には40℃後半、8月には50℃を超えるまで上昇し、原告本人とその妻は、熱中症と診断されたという。  

 原告側は、「住宅の東側にパネルを設置すれば、西側の家への反射光は予想できた」ことなどから、「工作物(メガソーラー)には瑕疵があり、不法行為が成立する」。また、「原告の妻と本人が熱中症と診断されるなど、日常の平穏を妨げ、精神的苦痛を生じさせた」ことなどから、「受忍限度をはるかに超えている」とし、パネルの一部(北側アレイの4~9列)撤去と、損害賠償300万円、弁護士費用30万円の支払いを求めた。

 訴状と答弁書によると、建設工事が始まる前、2013年12月にJAG国際エナジーは、周辺住民に対して説明会を実施し、「パネルは15度で設置し、反射光は天空に逃げるため、周辺に迷惑をかけることはない」などと説明した。パネルの設置が始まり、反射光の影響に気付いた原告は、2014年8月にJAG国際エナジーに対して、対応を求めた。

 これを受け、JAG国際エナジーは2014年11月、隣接する住宅と太陽光発電所の間にシラカシを植え、12月には遮光ネットを2重にしてシラカシを覆うように設置した(図3)。また、この際、JAG国際エナジーは、窓に遮光フィルムを貼ることも提案したが、原告はこれを断った。

図3●シラカシを植え、さらに遮光ネットを被せた
(出所:日経BP)
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