<特別寄稿1>
「太陽光の反射光問題」への対応に一石
森田桂一弁護士=西村あさひ法律事務所

「許容限度」を超えたか否かが争点

 太陽光発電所を運営するにあたっては、反射光の問題は意識すべき重要な課題です。特に、改正再生可能エネルギー特別措置法及びこれに関する「事業認定ガイドライン」のもとでは、事業認定の要件の一として、「太陽電池モジュールからの反射光が周辺環境を害することのないよう、適切な措置を講ずるように努めること」とされていますので、これまで以上に配慮が必要であるといえます。

 2017年11月30日、兵庫県姫路市に建設された大規模太陽光発電所(約1MW)の隣地住民が、反射光・反射熱により被害を受けたとして提起した訴訟が、当該隣地住民の取り下げにより終結しました。訴えが取り下げられたという経過を踏まえると、裁判所が一定の心証を示していた可能性もあります。

 本稿では、本訴訟の経緯を参考にして、反射光の問題(これに起因する「熱」の問題を含む)について、改めて検討してみたいと思います。

 まず、太陽光発電所からの反射光の問題は、現時点では、これを具体的に規制する一般法令はありません。もっとも、裁判所は、反射光を含む「光害」が許容限度を超える場合には、被害者の人格権を侵害するものであるとして、是正措置を求めたり、これにより生じた損害の賠償を命じる判断を積み重ねてきました。

 それゆえ、一般論としては、太陽光パネルからの反射光についても、許容限度を超えるとされる場合には、是正措置や損害賠償が命じられる場合もあるといえます。

 問題は、どのような被害が生じれば許容限度を超えたと評価するべきか、ということになります。そして、光害の問題については、そもそも、反射光の影響をどのように測定するべきなのか、が問題となります。この問題の難しさは、反射光の問題を取り扱った先例においても、被害が多様な尺度で検証されていることからも裏付けられます。

 私個人の見解としては、太陽からの反射光が問題となる事案については、太陽を正反射する反射光の差し込む時間の長さを被害の評価尺度とすることが有用ではないかと考えています。太陽が正反射された状態になると、直視できないくらいまぶしいことは社会通念上、明らかであり、そのまぶしさの程度を争うことはあまり意味が無いと思います。