抜けた杭基礎が元々、埋まっていた場所の地面をみると、杭基礎の東西方向に穴が広がっている様子が確認できる(図3)。これは、杭基礎にかかる東西方向への揺さぶりによる荷重によって、土の中で杭が動きやすくなったことで生じたと推察される。

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図3●杭基礎が揺さぶられたことがわかる地面の様子
(出所:日経BP)
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 硬い地盤に施工した場合や、こうした強風を十分に考慮した設計だった場合には、杭基礎が揺さぶられるような力が抑えられ、地面から抜けるような損壊は起きにくい。

 今回のような杭基礎と架台、アレイ構成を組み合わせた設計の場合、長時間にわたり東西方向に繰り返し揺さぶられ続けると、地盤によっては引き抜き強度が低下しやすいと見られる。

 損壊に至ったもう一つのポイントは、太陽光パネルの設置角である(図4)。現地の状況から、15度程度とみられる。

図4●設置角が比較的大きい
(出所:日経BP)
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 宮崎県内では、太陽光パネル当たりの発電量をより多くする設計として、当初はこうした比較的大きな設置角を採用する太陽光発電所が多かったという。

 しかし、台風にともなう強風によって損壊するリスクが大きいことがわかり、5度や10度など、より小さな設置角を採用する例が徐々に増えていった。

 設置角を小さくするほど、後方のアレイへの影が短くなることから、アレイ間隔を狭めることができ、敷地面積あたりの太陽光パネルの設置枚数を増やせる利点もある。

 今回の事業用低圧発電所では、大きな設置角によって、パネルの裏面から吹き込んだ強風による荷重が相対的に大きくなり、設備の崩壊につながった可能性もある。