第2段階の「バイパス回路の常時通電」でも、赤外線カメラによる温度分布の画像で確認した。パネルにおけるバイパス回路の常時通電の有無や、生じている場所を確認するためには、配線路探査器を使うか、パネルのI-V特性の測定値から把握することも多い。

 6件のうち、4件で、バイパス回路の常時通電が起きていた。このうち1件では、温度分布の画像を見ると、太陽光パネルの裏面に取り付けられているジャンクションボックス内にある4つのバイパス回路のうち、右から2番目のクラスタ(セルを接続した単位)のバイパス回路が、常時通電して発熱していることがわかった(図3)。

図3●バイパス回路で常時通電している部分(左)と、その説明(右)
(出所:消費者庁)
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 太陽光パネルの表面側から見た温度分布の画像をみると、このクラスタ部分の温度が、周囲に比べて相対的に高くなっている。

 これは、このクラスタ部分はバイパス回路に電流が迂回されているため、クラスタ単位で発電していない状態にあり、入射した太陽光が電力に変換されず、熱に変わったためと考えられる。

 バイパス回路の常時通電を確認できた太陽光パネルのジャンクションボックスを、赤外線カメラで撮影して得た温度分布の画像からは、常時通電しているバイパス回路が発熱していることも確認できた(図4)。

図4●バイパス回路で常時通電している部分(左)、はんだ配線接続部で変色していた部分(右)
(出所:消費者庁)
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 この太陽光パネルでは、第1段階の「配線接続部の高抵抗化」と、第2段階の「バイパス回路の常時通電」が、同一のクラスタ内に存在している。また、このクラスタのインターコネクタと横タブのはんだ配線接続部が、部分的に褐色に変化していた。発熱の影響による変色とみられ、この部分が高抵抗化したと考えられる。

 こうした状況から、このパネルは「配線接続部の高抵抗化」を経て「バイパス回路の常時通電」に至る発火プロセスが連続して起きた可能性を示す例として紹介している。