特高と同じ竣工前検査が高圧の一部でも義務化

 系統の安定性や電力品質の低下、周辺地域の施設の火災などの事故に直結するため、こうした電気的な障害が生じないように、PCSには、高調波電流に関する規定が定められている(関連コラム)。特に、国内メーカーのPCSは、こうした対策を含んだ仕様となっている。

 しかし、設置される環境や、周辺の状況などによって、十分に対策された仕様となっていても、不十分な場合がある。今回の事例も、その一つと言える。

 釧路地域の太陽光発電所では、さらなる高調波電流の発生を抑える対策をPCSに施した。その効果が確認された結果、売電を再開することが認められた。

 北海道の他の地域では、海外メーカー製のPCSを採用した太陽光発電所で、同じように高調波電流によって、系統や周辺の工場や病院の電気設備への悪影響が及んだ上、適切に対処できなかったために、国内メーカー製のPCSに交換し、ようやく売電を再開できた場合もある。

 発電事業者にとっては、連系解除中の売電機会の損失だけでなく、当初の計画では想定していないPCSの交換が加わることになり、事業として大きな痛手を受けることになる。

 こうした高調波電流の問題が、全国的に多く生じたこともあって、2016年11月から、高圧配電線に連系する太陽光発電所のうち、出力500kW以上・2MW未満の発電所に対して、特別高圧送電線に連系する太陽光発電所(出力2MW以上)と同じ検査が義務付けられることになった。

 具体的には、特高連系案件と同じ竣工前の自主的検査が求められるようになった。PCSに関連する項目では、高調波電流の測定や、負荷の遮断試験、シーケンス試験などが、高圧案件でも必要となる。

 これらの検査の報告を提出し、受理されない限り、連系が認められないように変わった。

 北海道電気保安協会では、各地の電気保安協会と同じように、こうした検査に必要な機器を備え、対応できる体制を敷いている。

特別高圧送電線に連系するメガソーラーの竣工前検査の様子
釧路地域のメガソーラーにおける例(出所:北海道電気保安協会)
[画像のクリックで拡大表示]