7件目の事故は、2014年8月に東京都で発生した。居住者が在宅中、2階からパチパチとの音が聞こえ、窓を開けると異臭を感じたものの、自宅で生じた異臭とは思わずにいた。その後、近隣住民から屋根の発煙を知らされ、消防機関に通報した。屋根裏の一部と太陽光パネル7枚が焼損した(図12~13)。パネルの設置形態は「鋼板などなし型」だった。

図12●東京都の住宅の屋根の被災状況
右は太陽光パネルの撤去後(出所:消費者庁)
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図13●挟み込まれたケーブル
左は挟み込まれた跡、右は挟み込まれている様子(出所:消費者庁)
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 消防機関では、出火原因として、パネルのケーブルがスパークし、火花がルーフィング材に着火して出火したと分析している。NITEでは、設置時に架台にケーブルが挟み込まれ、施工後に気象状況の変化などに伴う荷重や振動による応力が加わることが重なった結果、挟み込まれた場所でケーブルの絶縁劣化が進み、発電量が最大となったときに絶縁破壊し、架台を電路とした短絡回路が形成され、過大な電流が流れて発熱し、出火に至ったと推定した。

 8件目は、2015年2月に栃木県で起きた。居住者は不在で、近所の子供が屋根から煙が出ているのを見つけ、消防機関に通報した。発煙部のパネルを外すとケーブル付近に火がくすぶっている状態だった。ケーブルとパネル1枚が焼損し、熱で瓦が割れた(図14)。

図14●栃木県の住宅の屋根で焼損した太陽光パネル
右は焼損したケーブル(出所:消費者庁)
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 消防機関は、出火原因として、火災の約半年前に、電線管を交換した際、2系統分のケーブルがカプラー接続部から離れていたため、アース線1本を含めた5 本のケーブルを切断し、圧着処理と配線被覆をした部分に圧着不良があり、経時に伴い熱が発生し、出火に至ったと推定している。

 9件目は、2015年12月に神奈川県で発生した。近隣住民が、外壁に設置されていたPCSの周辺から発火していることを発見し、居住者が消防機関に通報した。居住者は消火器で消火し、その後、消防隊員が鎮火を確認した。ケーブルとPF管の一部、外壁の一部が焼損した(図15)。

図15●神奈川県の住宅の被災状況
ケーブルの撤去後(出所:消費者庁)

 消防機関は、出火原因として、パネルとPCSを結ぶケーブルにおいて、接続点を設けてはいけない合成樹脂製の屋外ケーブル保護管内でコネクタを使っていたため、コネクタの劣化などから結合部が緩んで接触不良が起こり、接触抵抗が増して発熱し、絶縁部が溶融し、異極間で短絡して出火したと推定した。