外側にパネルがなくても「まくれ上る」

 大阪府大阪狭山市のため池に設置された出力1.99MWの水上メガソーラーでは、フロート架台が台風21号による強風であおられ、まくれ上るという被害があった。パネルは飛散しなかったものの、733枚が反り返る形になり、損傷した(図6)。

図6●フロートが暴風によってまくれ上った状態に
(出所:経産省・産業保安グループ・電力安全課資料)

 一般的に水上太陽光発電設備では、一番外側のフロートにはパネルを設置しないことが基本になっている。仮に設置した場合、パネル下部が風を巻き込み、フロートが巻き上がる起点になってしまうためだ。「これまでも強風で水上太陽光が損傷したケースはあったが、すべて一番外側にパネルを設置していたサイトだった。大阪狭山市のサイトでは、基本通り一番外側にパネルを設置しなかったにもかかわらず、フロートがまくれ上ってしまった」(経産省・産業保安グループ・電力安全課)。

 また、水上太陽光の設備は、フロートが風で流されないようにアンカーとフロートを繋いでおくことが一般的だ。今回の暴風では、アンカーとフロートを接続するボルトが折損し、フロート全体が流されたことでも、パネルの一部が破損した。

 フロートとパネルの接続部やアンカーを含めた発電所全体の強度は風速約60m/sに耐える設計だったものの、アンカーとフロートを接続するボルトがプラスチック製で中心部に空洞があり、風速30~40m/sまでしか耐えられなかったという。

 台風21号に伴う大阪狭山市の最大瞬間風速は38.1m/sで、サイトにおける最大瞬間風速は40m/sを超えていた可能性があり、ボルトの設計強度を超えた可能性があると推定された。加えて、暴風により、池に水流が発生したことも示唆され、複合的な要因によって破損に至ったとも考えられるという。

 この水上メガソーラーでは、被災後、破損パネルを電気的に切り離し、部分的に発電を続けた。対策としては、フロートとアンカーを接続するボルトの空洞内に金属製の芯を入れ、風速60m/sにも耐えられるように強化し、2018年内には復旧予定という(図7)。

図7●復旧後の水上メガソーラー
(出所:日経BP)
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