太陽光発電と農業が相乗効果を生む事業も模索

 軽米町の山本賢一町長(図3)によると、同町は北日本にしては比較的、太陽光発電に向く地域という。日照時間は全国平均より長い上、気温はそれほど高くならない。結晶シリコン型の太陽光パネルは、高温になると発電効率が落ちることから、夏の高温期でも発電ロスが比較的少なくて済む。

図3●軽米町の山本賢一町長
(出所:日経BP)
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 町の予算は限られる。しかも、地方自治体への交付金は年々、減少する傾向にある。

 この状況の中、売電収入の一部を農山村の発展につながる施策に活用することで、これまで町の予算を充てていた同様の取り組みを、売電収入の一部で賄えるようになり、その分で浮いた予算を、他の用途に使えるようになる。しかも、再エネの売電収入は、長期間、安定的・継続的に期待できるものである。

 これによって、例えば、人口減少の歯止めや雇用創出といった施策に、財源を振り向けられる。同町では、すでに「保育園の保育料を第1子は約半額、第2子以降は無料」、「高校までの医療費を無料」、「学校給食費を高校まで3分の1を補助」といった施策を導入している。今後、さらに子育て支援を手厚くできる可能性が出てくる。

 太陽光発電の場合、用地となる土地の所有によって、地権者だけが特に経済的な利点を得られるのではという指摘も少なくなかったようだ。山本町長は、「現時点で基本計画に盛り込まれている太陽光発電所の候補地は、町内の全世帯の約3300世帯のうち、約330世帯が対象となる。全人口の1万人のうち、家族を含めて約1000人が関連することになり、少なくない町民が恩恵を受ける」と強調している。

 さらに、町の固定資産税収入が増えること、地域の土木・建築関連の雇用、地元資材の利用、維持管理の雇用など、多くの町民に経済的な利点が行きわたると期待している。

 鶏糞バイオマス発電(図4)では、ブロイラーの生産から、副産物といえる鶏糞による発電まで、地域で養鶏業を中心とした経済が循環し、バイオマス発電所による雇用も生み出すなど、理想的な姿の一つとしている。

図4●鶏糞バイオマス発電所の発電機
十文字チキンカンパニーの出力約6.25MW(出所:日経BP)
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 太陽光発電と農業が連携した事業モデルも構想している。施設を使った農業で、太陽光発電電力を使うといったことを想定している。