出資と私募債で地域住民の資金

 「美馬ソーラーバレイ」は、メガソーラーと同名の特定目的会社(SPC)、美馬ソーラーバレイ(美馬市)が発電事業者となる。

 資本金は4550万円で、ガイアパワーが44%を出資するほか、市民団体のメンバーが設立した企業などが出資している。

 また、美馬市などの住民48人と1団体が、一口50万円の私募債を合計49口分、引き受けた。合計で約2450万円となる。私募債の年利は約4%、償還期間は8年間となっている。

 こうして、地域の市民が出資や私募債で資金を提供する「市民参加型」のメガソーラーとなった(図3)。このほか、県の制度を活用した融資も受けている。

図3●地元企業が開発した新たなコンクリート系材料を使った展望台
地域の企業や市民がさまざまな形で参画(出所:日経BP)
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 買取価格は40円/kWh(税抜き)で、建設費は約3億5000万円を要した。年間発電量は、128万9930kWhを見込み、これは一般家庭約350世帯の消費電力に相当する。

 SPCの逢坂彰代表取締役によると、市民参加型のメガソーラーの開発では、事業スキームの構築に苦労したという。地方再生の理念自体には、すぐに賛同を得られたものの、枠組みを築き上げるまでの調整には時間がかかったという。その間に、「県内初のFITに基づくメガソーラー」という称号は逃してしまったと振り返る。

 ガイアパワーでは、地域の活性化を再生可能エネルギーによって実現するという目標を掲げていた。美馬のプロジェクトはその先駆けとなった。地域で土地から資金まで賄い、市民や地域の企業、金融機関とともに、地域で多くを循環させるモデルが実現できたという。