畜糞バイオマスの活用目指す

 東北おひさま発電は、長井市での2サイトのメガソーラー開発に続いて、福島県いわき市と南相馬市に、それぞれ連系出力1.75MWと1.5MWのメガソーラーを開発し、運転を開始している。「山形県外に立地したのは、東北地方にある程度、分散して建設することで、天候に左右される再エネビジネスのリスクを軽減するため」(後藤社長)という。

 一方で後藤社長は、現在、山形県内でのバイオマス発電の開発に乗り出している。やまがた新電力が今後の電源戦略として、バイオマスや水力を重視しているように、再エネ比率や地産地消の割合を高めるには、ベースとなる安定電源が必要になる。

 後藤社長の特に着目している技術が、畜ふんをメタン発酵させて得た可燃性ガスを使ったバイオガス・コージェネレーション(熱電併給)システムだ。県内で盛んな畜産業から排出される畜ふんから電気と熱を生み出し、自家消費してエネルギーコストを削減したり、売電収入を得たりすれば、第一次産業の競争力強化にもつながる。

 畜ふんバイオマスの利用では、メタン発酵の際に排出される排液(液肥)の処理が問題になる。北海道では肥料として畑に散布するなどの例があるが、本州では、こうした利用に限界がある。現在、「コスト効率的な処理技術を探索している段階」(後藤社長)という。

 「域外に流出するエネルギーコストは、地域社会にとって大きな負担になっている。地域資源で安く作り出し、使うことで、地域が豊かになる。食糧とエネルギーの地産地消は、地域創生のカギ」。3月11日を迎えるたび、後藤社長は決意を新たにする。

●設備の概要
発電所名長井おひさま発電所
発電事業者東北おひさま発電(山形県長井市、那須建設グループ)
土地所有者日鍛バルブ
設置面積約4ha
出力連系出力・パネル容量1.9MW
年間発電量(初年度)約200万kWh
EPC(設計・調達・施工)サービス那須建設
O&M(運用・保守)東北おひさま発電
太陽光パネル中国・サンアースソーラーパワー社製多結晶シリコン型(290W/枚、6552枚)
パワーコンディショナー(PCS)東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製(500kW×3台、490kW1台)
架台LIXIL製(アルミニウム製)
遠隔監視システム三井情報
着工日2013年5月
売電開始日2013年8月