やまがた新電力に売電

 東北おひさま発電の後藤博信社長は、県内建設大手・那須建設(長井市)の顧問でもある。震災で街の灯りが消える中、再エネ開発を決意し、那須建設から出資を受けて新会社を設立した。後藤社長は、野村證券の副社長を務めた後、東京を離れ、故郷である山形県に戻り、飯豊町の副町長などを務めていた。そんな時、大震災と原発事故が起きた。

 「県全域の停電と原発事故は、まさに衝撃的。国内のエネルギー需給の決定権を握る東京や政府、大資本に対し、われわれ地域の無力を痛感した。エネルギーの地産地消は、中央支配を脱し、自立した地域社会を創るカギになる」と、後藤社長は力をこめる。

 同社は、これまでに長井市に2サイト、福島県いわき市と南相馬市に各1サイト、合計で4サイトに合計出力6.9MWのメガソーラーを稼働している(図2)。

図2●県内初の民間設置のメガソーラーとなった「長井おひさま発電所」(出所:日経BP)
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 山形県では、県内に地元企業によるメガソーラー開発が進んだことに呼応し、県主導では全国初となる地域新電力「やまがた新電力」を設立、今年4月から公共施設への電力供給を始めた。山形県のほか、民間企業18社が出資。東北おひさま発電もその1社で、長井市にある2サイトの発電電力をやまがた新電力に売電している。