石油や化学、電機など、大型プラントの並ぶ千葉県市原市の海岸沿い。その一角に、アルミサッシなど、ビルや住宅用の建材を手掛ける不二サッシの千葉事業所(千葉工場)がある(図1)。

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図1●不二サッシの千葉工場
アルミの溶解から成形用材料、押出成形、表面処理、サッシなどの加工・組み立てまで一貫で製造。左下の倉庫2棟と、中央のアルミ製造棟の一部に太陽光パネルを設置(出所:不二サッシ)
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 同社の基幹工場として、サッシやカーテンウォールのほか、これらの資材となるビレットと呼ばれる押出成形用の鋳塊などを手掛けている。アルミの溶解から鋳塊、成形、加工・組み立てまで、一貫で製造している。

 当初は不二サッシがすべての工程を担っていたが、現在は、サッシなどの加工製品の製造は不二サッシ、その上流となるアルミ資材の製造は子会社の不二ライトメタル(熊本県玉名郡長洲町)という分担になっている。

 同工場では、建屋の屋根上にメガソーラー(大規模太陽光発電所)を設置している。

 不二サッシがメガソーラーを導入した理由として、「建物の補強や屋根の改修のため」という、本来、太陽光発電の機能とは直接、関連しない目的が、大きな要因となった。

 同社は、バブル経済の崩壊以降、需要の減少により苦境が続いた。2008年のリーマンショックが、さらに追い打ちをかけた。工場などの設備投資が十分にはできず、一部を先送りする状況が続いていた。

 1965年に完成した千葉工場に関しても、今後、数十年間の稼働を想定していながら、老朽化に対応した投資を先送りせざるを得なかった。

 その後、業績は徐々に持ち直し、7期連続で黒字を維持している。借入金の返済も進み、2016年3月期には18年ぶりに復配した。千葉工場の老朽化への対応をはじめ、生産工場の改修などにも投資できる状況が整ってきた。

 これと機を一にして、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)が施行された。FITによる太陽光発電事業の収益をうまく活用しながら、千葉工場など主力工場の屋根の改修や建屋の補強ができないかと考えた。