探訪

「最低でも30年」目指す、杜の都のメガソーラー

太陽光が急増する仙台市西部、背景に「建物は不可」な条例

2018/09/04 05:00
加藤 伸一=日経BP総研 クリーンテックラボ
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 豊かな里山が多く残る仙台市青葉区上愛子(かみあやし)に、出力約1.2MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)「上愛子太陽光発電メガソーラー」がある(図1)。2017年9月に売電を開始し、稼働から1年間近くが経った。

図1●出力約1.2MWの上愛子太陽光発電メガソーラー
今野建設が開発・運営(出所:日経BP)
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 発電事業者は、宮城県南部の柴田郡村田町小泉に拠点を置く今野建設である。同社は、土木や建設のほか、産業廃棄物処理などを手がけている。自社が所有する土地を活用し、このメガソーラーを開発・運営している。

 このメガソーラーが立地している上愛子や、その周辺の地域には、ほぼ手付かずの里山が多い。上愛子の一部の地域では、大規模な住宅地の開発が進んでいるものの、以前から土地の利用に関する条例が厳しい地域として知られ、造成だけでなく建物の建設にも制約が課されている土地が多い。

 その上愛子や周辺の地域において、近年になって増えてきているのが、太陽光発電所の開発である。今野建設のメガソーラーも、その一つとなる。

 今野建設は今回、仙台市の「杜の都の風土を守る土地利用調整条例」の規定に基づいて開発を申請し、市と協定を結んだ上で太陽光発電設備を設置した。

 この条例は、おもに仙台市の西部に残る森林やそれによる景観を守ることを主眼に制定された(図2)。

図2●「杜の都の風土を守る土地利用調整条例」による土地の利用方針と区分
(出所:仙台市)
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 これまでに、この条例に基づいて開発された案件のうち、大規模な造成や建物の建設を伴うものは、公共施設や社会インフラなどに限定されている。学校や介護施設、交通機関の関連施設、通信インフラ、廃棄物処分場などである。

 それ以外の開発案件は、ほぼ太陽光発電所となっている。太陽光発電所は、設置する発電設備は「電気工作物」ではあるが、地上からの高さが4mを超えない限りは、建築基準法における「建築物」には該当しない。大規模な造成などを伴わないことのほか、建築物の建設を伴わないことも、この地域の条例に合う開発となっている。

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