宮城県亘理町は、阿武隈川の河口に位置し、町の中央をJR常磐線と常磐自動車道が縦断する。常磐道を走ると一面に実った田んぼと点在するイチゴのハウス団地が車窓に広がる。7年前、この地が震度6の地震に襲われ、津波に飲まれた痕跡はもはや見られない。

 東日本大震災による亘理町の被害は甚大だった。死者・行方不明は300人を超え、約5600棟の住宅が全半壊か一部損壊、1826haもの農地が塩害を受け、農業施設の被害により営農を自粛した387haを加えると、町の水田の約8割が作付けできなくなった。

30万枚のパネルを設置完了

 今年7月27日、同町南部の吉田地区沿岸で、「亘理太陽光発電所」のパネル設置完了式が開催された。約75haもの敷地に太陽光パネル約30万枚を設置した。2017年6月に着工後、順調に建設が進み、パネルを張り終えた。今年12月の完成を予定している。

 太陽光パネルの設置容量は79.548MW、パワーコンディショナー(PCS)の定格出力は49.3MWに達する。全国でも有数の規模で、津波に被災した沿岸部で着工済みのメガソーラー(大規模太陽光発電所)では最大規模となる。

 発電事業主は、アミューズメント機器の開発・販売、航空機リースなどを手掛ける山佐(岡山県新見市)だ。設置完了式では、同社の佐野慎一社長が、最後の1枚のパネルをドライバーで取り付けた。

 亘理太陽光発電所の隣には、震災後に設置された「吉田浜防災公園」があり、津波の一時避難所を兼ねた小高い展望台がある。そこに登ると、広大な敷地に整然と並べられたパネル群が一望できる(図1)(図2

図1●完成目前の亘理太陽光発電所
手前にあるのが、津波の一時避難所を兼ねた展望台(出所:山佐)
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図2●展望台から見た発電所
(出所:日経BP)
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