発電量は水上の方が「圧倒的に多い」

 兵庫県のため池に設置している太陽光発電所は、主に買取価格が32円/kWhとなっている。開発中・運営中の案件では、5カ所が32円/kWh、4カ所が27円/kWhで、24円/kWhの案件の開発も検討している。

 水上設置型の太陽光発電所は、一般的に、地上設置型に比べて、初期投資や保守コストが高くなるとされる。

 二川工業製作所によると、同じ出力規模の発電所を開発する場合、地上設置型の土地の賃料に比べて、水面使用料の方が安いことが多い。一方、保守コストは、水上設置型の方が若干高くなる。

 初期投資については、地上設置型で、本格的な造成が必要な場合は、全体でみると、水上設置型の方が安くなることが多いという。

 シエル・テール・インターナショナルが、日本向けのフロートを岡山県で製造し始め、日本企業が採用する際のコストが大幅に下がったことも寄与しているようだ。

 発電量は、「圧倒的に水上設置型の方が多い」という。5月で見ると、発電量は地上設置型の1.2倍程度になるという。「出力約1.3MWの太陽光発電所では、年間発電量で約70万kWhの差がつく」としている。

 事業性には直接、関連しないものの、水面に太陽光パネルが浮かべることで、水中に射し込んでいた日光を遮り、水草の過剰な発生を抑える効果もある(図5)。これによって、池の環境保全にもつながる。

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図5●天満大池(上)と、その子池でパネルを浮かべた河原山池(下)の水面
アオコの発生状況の差が一目でわかる(出所:日経BP)
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 また、兵庫県のため池では、水面使用料は地方自治体ではなく、池を所有している地域の管理団体に支払う。これは、他県では見られない仕組みという。地域にとって、新たな収入源となり、地域経済の活性化に貢献できる。