シャープが「水上専用の受注生産品」

 その後、自社で開発する案件は、土地勘のある関西をメインにした。しかし、メガソーラーに向いた用地が少ない上、賃料が高いという問題があった。

 二川工業製作所の地元である兵庫県は、ため池の多い地域として知られる。そこで、池の水面を借り、太陽光発電所に活用する手法を検討することにした。金融機関から紹介された、美樹工業(兵庫県姫路市)がEPC(設計・調達・施工)サービスを担うことになった。同社は、太陽光発電にいち早く取り組んだ中堅ゼネコンである。

 ため池の水面を活用した太陽光発電所の開発では、シャープ製を採用することにした(図4)。その理由の一つは、水上専用の受注生産品の供給を提案されたことだった。シャープは、通常の製品を水上で使った場合、保証の対象にしないが、専用パネルでは、水上での使用に20年間の保証をつけた。

図4●シャープ製の水上専用パネルを採用
フロートはフランスのシエル・テール・インターナショナル製を採用。画像は、姫路市船津町にある出力1.078MWの「長池西水上太陽光発電所」(出所:日経BP)
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 二川工業製作所によると、通常の製品との違いは、樹脂製バックシートを高耐湿タイプに変えたこと、ジャンクションボックス内に耐湿対応の樹脂を充填していることなどである。

 海外メーカー製のパネルの中には、通常の製品で、水上での使用にも長期保証を謳っている場合があり、採用を検討した。しかし、実際には、詳細な裏付けのないままに保証していることがわかり、長期の信頼性に不安を覚え、採用を断念したという。

 水面にパネルや接続箱を浮かべるためのフロートには、フランスのシエル・テール・インターナショナル製を採用した。同社のフロートは、世界各国の水上設置型の太陽光発電所で多くの実績があり、日本でも採用が広がっている。

 パワーコンディショナー(PCS)は、東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製、ダイヘン製を採用し、設置する池の周囲の環境や事業性などに合わせて使い分けている。