リコールで部品交換

 「頴娃風力発電所」は、新設時から8年経った。その間、大きなトラブルはなかったものの、部品交換や予防保全の観点からの課題も出てきた。

 日本製鋼所は2014年10月、同社の製造した2MW機(「J82-2.0」)のリコールを発表した。2014年9月中間連結決算に部品交換に要する費用(約160億円)を特別損失に計上した。リコールの対象となった風車は国内で108基。頴娃風力発電所で稼働する7基の風車もこれに含まれていた。

 不具合の判明した部品は、ブレードの向きを変えるピッチ制御のためのベアリング(軸受け)で、運用状況によりひびの入る可能性があるという。風車の稼働を止め、1基につき3本あるブレードを外して軸受けを交換した。この際の費用は、稼働停止中の売電ロス分も含めて日本製鋼所が負担した(図8)。

図8●ブレードのピッチ制御用の軸受けを交換した
(出所:日経BP)
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 また、今後の不具合を未然に防止するための対策として検討し始めたのが、各風車のナセル(発電機などを格納したタワー上の筐体)内に設置していたトランス(昇圧器)をタワー下部に設置し直すことと、ブレードの先端に保護テープを貼る対策だ。

 日本製鋼所の2MWの風車は、ナセル内に発電機とコンバーター、制御盤、トランス(昇圧器)などが格納されている。同期型発電機を採用しているため、増速機(ギア)はない。風を受けてブレードが回転し発電機が出力した交流電流は、コンバーターで60Hz・660Vに変換し、トランスで22kVに昇圧する。ここまで各風車で行い、その電気を地下ケーブルで連系変電所まで送電し、さらに66kVに昇圧して九州電力の特別高圧送電線に送る。