既存の連系変電設備のまま増設

 既存のウインドファームに風車を増設する動きは、FIT開始により、売電単価が上がったため、多くの発電事業者が取り組んでいる。風車を増やして同じ連系点に接続して売電する場合、連系変電設備にどの程度の追加投資が必要になるかで事業性が左右される。

 大規模な増設で送電量が増えた場合、既存の連系変電所の能力が、当初、想定した熱容量を越えてしまうため、大掛かりな改造工事が必要になる。そのため元の連系出力に比べ中途半端な規模の増設では、投資効率が低く、発電所全体の事業性が悪化してしまう。

 頴娃風力発電所が1基(2MW)を増設したのは、新たに設置できる用地を確保できたことに加え、1基2MWまでの増設であれば、既存の連系変電所の持つ能力で対応できたからだった。連系変電設備は東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を導入していた(図4)。2MW分の発電設備の増設に関して、同社とも協議し、昇圧器の稼働率が向上することへの対応として、放熱器に送風機を取り付けるだけで済むと分かった。

図4●東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製の連系変電設備
(出所:日経BP)
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 仮に8基すべての風車がフル稼働して送電量が増え、昇圧器の温度が一定以上に上がった場合、送風機が稼働して放熱器を強制冷却する。これにより冷却効果を高め、昇圧器の温度上昇を抑えるという(図5)。

図5●トランスの放熱器に送風機を装着した
(出所:日経BP)
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 四電エンジニアリングでは、この風車増設に合わせて、地元貢献の1つとして「アグリランドえい」に元々あった展望台を改装した。この展望台は老朽化が進み、利用できなかったが、改装により、再び開放されることになった(図6、図7)。 同社は、これ以外にも、地元イベントに協賛するなど、地域との共生に努めているという。

図6●改装された「アグリランドえい」展望台
(出所:日経BP)
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図7●風車は、「アグリランドえい」のシンボルになっている
(出所:日経BP)
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