日本製鋼所製の「クラスⅠ」風車

 国内の大型風力発電設備は、風況に恵まれ台風の少ない東北地方と北海道でまず建設が進んだ。九州地方は風況がよいものの、台風の多いことが事業リスクとされた。だが、強風対策を盛り込んだ風車の設計技術が進んできた。IEC(国際電気標準会議)と連動したJIS(日本工業規格)では、3段階で風車の耐風強度を設定し、「クラスⅠ」では10分間平均風速が50m/sでも耐えられる仕様になっている。

 「頴娃風力発電所」では、国産の風車で「クラスⅠ」仕様の風車という条件で、選定した結果、日本製鋼所(JSW)製の2MW機を採用することになったという(図2)。

図2●開聞岳を背にした風車。頴娃風力発電所の6号機。日本製鋼所製2MW機を採用
(出所:四電エンジニアリング)
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 また、九州は、全国的に雷が多いことも課題になる。導入した風車は、落雷時の電荷量が600クーロンでも耐えられる設計という。雷撃時にブレード(羽根)を保護する「レセプター」と呼ばれる部材が装備してあり、そこで受けた電流は、タワーの引き下げ導体を通じて大地に流すようになっている。

 実際に、風車に雷が直撃した場合、センサーがそれを検知し、自動的に稼働を停止し、損傷の有無を確認後に再稼働するという手順になるという。

 大型風車の建設では、長尺なブレードの運搬が問題になる。「頴娃風力発電所」のブレードの長さは約40m。枕崎港から陸に上げて、指宿スカイラインから広域農道を使いながら、最終的には林道を一部、拡幅することで各設置場所まで搬入したという。