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探訪

害虫が大量発生! 緑を維持する「養命酒」のメガソーラーの悪戦苦闘

被覆植物をクローバーからクラピアに変更

2018/06/26 05:00
加藤 伸一=日経BP総研 クリーンテックラボ
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 埼玉県鶴ヶ島市の閑静な住宅街に、太陽光パネル容量が約2.6MW、連系出力が1.99MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)がある(図1)。国民的な薬用酒の製造元である、養命酒製造が開発・運営している。

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図1●養命酒製造 鶴ヶ島太陽光発電所
工場の進出当時は農地に囲まれた場所だった。現在は住宅地に囲まれている(出所:上は養命酒製造、下は日経BP)
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 元々、同社が1961年から2006年まで、工場を稼働していた場所に立地する。この工場では、「養命酒」の原料である、ぶどう糖などを製造していた。原料のぶどう糖を外部で製造することになり、2007年に工場を閉鎖して更地とし、跡地の有効活用を模索してきた。

 太陽光発電設備の設置にあたり、気を配ったのは、周辺の住宅街に対し悪影響を及ぼさないことだった。工場を建設した当時、周囲には農地が広がっていたが、現在では一変し、住宅地に囲まれている。

 鶴ヶ島市からは、メガソーラーの設置に際して、工場時代と同じように、草や木による緑をある程度、残して欲しいという要望を受けた。

 この要望を満たしながら、できるだけ発電量を減らさないための工夫として、二つの手法を採用した。一つは、敷地の外周に伸びる木の影が、太陽光パネルの上にかからないようにすること、もう一つは、地表を草で覆いながら、太陽光パネルの上まで伸びないようにすることだった。

 木については、工場時代に敷地の外周部に植えていたシラカシ(白樫)を残した。シラカシは常緑の高木。高さ10m以上に伸びていたのを、高さ約5mに切りそろえた。外周部のうち、シラカシが生えていない場所には、新たに植えた。太陽光パネルは、この木の影のかからない位置に並べた。

 地表を覆う草として、クローバー(シロツメクサ)を植えた。クローバーは、根付きが良いことが知られ、他の雑草が太陽光パネルを覆うように伸びるのを阻む効果に期待した。クローバー自体は背が低いので、地面を低く覆う被覆植物(カバープランツ)として最適だった。

 メガソーラーは2013年7月に発電を開始し、稼働からほぼ5年が経った。2013年12月に訪問して以来、どのような変化があったのか、約4年半の経過を再び取材した(当時のメガソーラー探訪)。

 メガソーラーの北東方向に隣接している土地も、同社が所有する遊休地となっていたが、この土地は2018年3月に、鉄道模型大手のカトー(東京都新宿区)に売却することを発表した。カトーも主力工場を鶴ヶ島市内に置く企業である。

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