明石土山のメガソーラーでヒツジを飼い、敷地内に放牧しているのは、近隣の住民に親しみを持ってほしいとの理由からである。

 ゴルフ場跡といっても、山林の中ではなく、街中に立地している。そのような場所が、緑に覆われたゴルフ場から、5万枚もの太陽光パネルを敷き詰めた発電所に変わることで、無機質で冷たい印象を与えるという危惧を持っていた。

 そこで、日本毛織では、メガソーラーでヒツジを飼い、敷地内に放牧することにした。ヒツジは、家畜の中でも相対的に温順で可愛いらしい。発電所内を歩き回っていれば、近隣の住民たちにも、メガソーラーに親しみを持ってもらえると考えた。

 ヒツジは、羊毛紡織を祖業とする日本毛織のマスコット・キャラクターでもあり、企業広報の役割も担っている。さらに、ヒツジが日々、メガソーラー内の雑草を食べることで、除草の負担を減らす効果にも期待できる。

 現在、5頭飼っており、毎年、5月下旬には、ヒツジたちの毛を刈っている。ヒツジは、採毛用の家畜として改良されてきた経緯から、毛が自然に生え変わらずに伸び続ける。

 暑い時期にヒツジの毛が伸び過ぎていると、体温の調節機能などに悪影響を及ぼし、健康を維持できなくなってしまう。このため、年に一度、春から初夏に毛を刈る作業が必要になる(図4)。

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図4●1頭あたり約4kgの毛を刈る
(出所:日経BP)
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 メガソーラーで飼っているヒツジは1頭あたり、1年間に約10cmの毛が伸びる。ヒツジを譲り受けた六甲山牧場(神戸市灘区)の飼育担当者がメガソーラーを訪れ、5頭のヒツジの毛を手早く刈っていった。

 ヒツジたちは、1頭あたり約4kgの毛を刈り取られ、すっきりした様子で、すぐにメガソーラー内に戻り、また草を食べはじめていた(図5動画2)。

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図5●毛を刈った後もすぐに草を食べ始める
(出所:日経BP)
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動画2●ヒツジが雑草を食べている様子

(出所:日経BP)