調整池にもパネルを設置

 南側サイトに建設した調整池は、中央に突き出た法面を囲むようにU字型に造成した広大なもので、間近で見ると、舗装された敷地の上に1mほどの高さでパネルが設置されている。パネル下に浸水することを前提にしたため、接続箱も高めに設置されている(図5)。

図5●調整池に設置したパネルと接続箱
(出所:日経BP)
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 この「パネル用地 兼 調整池」北端には、パネルを設置せずにさらに深い調整池とその中央に雨水オリフィス(孔口)枡がある。南側サイトに降った雨は、まずは最下段の深い調整池に流れ込み、ここがいっぱいになって初めて、パネル下の調整池まで浸水が始まり、パネルの高さに達する前にオリフィスから下流に流れ出す、という設計になっている(図6)。

図6●調整池の北端にはさらに深くなっておりオリフィス枡がある
(出所:日経BP)
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 林地開発許可制度で一般的に求められる治水に関する技術基準では、「下流の流下能力を考慮の上、30年確率で想定される雨量のピーク流量を調整できること」と規定されている。つまり、30年に1回の大雨でも開発地の下流域で洪水が起こらないことを前提としている。

 「藤原百合野発電所」の南側サイトにおける排水・治水施設は、こうした技術基準を上回る雨量を想定し、十分に余裕を見て設計したという。実際に稼働後、昨夏には大きな台風を経験したが、パネル下まで浸水したことさえ一度もないという。