追加で用地確保し過積載率1.4倍に

 同発電所の南側サイトの南端・最高地点からは、眼下に日出町の街並みと別府湾が見渡せ、さらにその先の対岸には、大分市沿岸の工業地域までが一望できる。ただ、太陽光パネルが段々に設置されているのは、丘陵の頂きから海側に向かう南斜面ではなく、陸側に下った北向き斜面になる。一般的には、太陽光の立地として不向きな立地だ(図3)。

図3●北向きの斜面を造成してパネルを設置した
(出所:日経BP)
[画像のクリックで拡大表示]

 日出電機の渡邉浩司社長は、「藤原百合野発電所の設計では、メガソーラーの立地としては条件の悪い北向き斜面に、いかに多くの太陽光パネルを設置するかが大きな課題となった」と、振り返る。大分県内には、特高規模のメガソーラーも多いが、海岸沿いの遊休工業用地など好立地は、大手資本が早々に押さえ、建設しているケースがほとんどだ。中堅企業やベンチャーは、相対的に条件の悪い立地に取り組むことが多くなる。

 もともと同発電所の南側サイトは、ゴルフ場の開発予定地だった。だが、着工まで至らず計画段階で頓挫して競売にかかり、不動産会社に所有権が移っていた。日出電機は、この不動産会社から、メガソーラー(大規模太陽光発電所)用地として購入した。

 購入後、土木造成とパネル配置のレイアウトを検討しつつ、県に対して森林法に基づき林地開発許可を申請した。パネルの設置枚数を増やすため、低い地点に建設する調整池にも、パネルを設置するなど、スペースの効率的な活用に工夫した(図4)。

図4●調整池にも太陽光パネルを設置した
(出所:日経BP)
[画像のクリックで拡大表示]

 それでも、必要な残置森林や、安全性を重視して十分な面積の法面などを確保すると、設備認定で取得していた10MWの連系出力には達しないことがわかってきた。

 そこで、購入した用地に加え、隣接した北側の林地を活用して、パネルの設置枚数を増やすことを検討し始めた。複数の地権者と交渉して賃借契約を結び、最終的に11のエリアに合計で4.9MW分のパネルを設置できる用地を新たに確保した。その結果、南側サイトに9.5MW、北側サイトに4.9MWの合計14.4MWのパネル出力となった。

 連系出力10MWに対し、パネル4.4MWを積み増し、過積載率1.4倍を確保することで、事業性を高めた。