台風で割れたパネルの交換、経産省はいまだ認めず

 この台風の通過後、屋根上の太陽光パネルのうち、1枚のカバーガラスが割れていることを発見した(図6)。甲府の屋根上メガソーラーで、これまで割れたパネルはこの1枚のみとなっている。

図6●カバーガラスが割れた太陽光パネル
(出所:日経BP)
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 割れた原因は不明だが、台風の強風で何らかの異物が倉庫外から飛んできて、太陽光パネルに当たって、カバーガラスが割れたのではないかと推測している。

 ただし、この太陽光パネルの周辺には、落下物は見つからず、強風で飛んできて当たり、そのまま強に乗って屋根の外に飛散したのではないかと見ている。

 問題は、半年以上経った現在でも、この太陽光パネルを交換できていないことである。

 同社では、火災などの安全上のリスクにつながることから、すぐにでも交換したいと考えていた。しかし、導入した出力242W/枚の太陽光パネルは、京セラは製造しておらず、在庫も残っていない。そこで、割れたパネルの交換品として、出力が1W多い243W/枚の太陽光パネルを予定している。

 この変更には、1枚の交換であっても、経済産業省に変更を申請し、同省が認める必要がある。この変更をすぐに申請したものの、未だに経産省が認めていない状況にある。同省の事務手続きが滞っているためと見られる。

 こうした状況にも、斉藤倉庫では、「売電ロスを最小化しようと、経産省から変更が認められる前に、交換してしまう発電事業者もいるだろう。しかし、われわれは、愚直すぎるかもしれないが、ルールは遵守し、認められてから交換することにしている。できるだけ信頼性が高く、良い設備を導入することも、法を遵守することも同じで、そうした姿勢を貫き続けることが、長期的な成功を導くと信じている」としている。

 割れた太陽光パネルは、カバーガラスが割れているだけでなく、セル(発電素子)の損傷による焦げが見られる(図7)。ガラスが割れたことで、副次的に生じたと見られる。

図7●電極やバックシートの一部が焦げている
(出所:日経BP)
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 屋根上の太陽光パネルの不具合や損傷によって、何らかの拍子にアーク(火花)などが生じ、屋根材に延焼するといった事故は、全国的に懸念されている。住宅に関しては、消費者庁から報告書が発表され、経産省にも適切な対応を求めている(関連コラム:「住宅太陽光の火災事故はパネルの不良にも起因」、同コラム:不良パネルは、こうして発火・延焼した!)。

 こうした中、台風の強風による損傷パネルの交換に関する変更申請を長期間、認めないまま放置しておくという状況も、安全確保の視点から改善が求められそうだ。