探訪

「太陽光パネルが台風による屋根の損傷を抑えた!?」、甲府の屋根上メガソーラー(前)(page 3)

大雪により約3週間、発電できない事態も

2019/05/14 05:00
加藤 伸一=日経BP総研 クリーンテックラボ
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屋根上太陽光の思わぬ利点を実感した2018年秋の台風

 2018年秋に甲府周辺で大きな被害をもたらした台風の通過時には、強風による屋根そのものへの被害が、屋根上の太陽光パネルの効果で、本来よりも軽減されたのではないかと実感させられたという。

 この台風により周辺地域では、建物のシャッターや屋根材が損傷したり、ゴルフ場で数百本もの木が倒れたりする被害が相次いだ。

 甲府の倉庫は、川の近くに立地し、台風時には特に風が強くなる環境にあった。そのため屋根の端部を保護する「幕板」と呼ばれる屋根材の一部が、下からめくれ上がるように剥がれる被害が生じた(図4)。

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図4●めくれ上がった幕板
現在は下のように修繕ずみ(出所:斉藤倉庫、下は日経BP)

 仮に、太陽光パネルを搭載していなければ、もっと広い範囲で損傷していたか、別の屋根材にまで被害が広がっていたかもしれないと、同社では見ている。太陽光パネルによる重しのような効果が生きたと感じている。

 この台風では、もう一つ、屋根材が損傷した。山型の斜面を構成している折板の1カ所に「割れ」が生じて広がり、中の断熱材が露出したのである(図5)。

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図5●折板の間から露出した断熱材
現在は下のように修繕ずみ(出所:斉藤倉庫、下は日経BP)
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 この損傷による倉庫内への被害は、まったくなかった。断熱材が露出しても、倉庫内などに水が漏ることはなかった。これは、もともと屋根材を、二重の折板屋根で構成していたことによる。

 屋根の耐久性などだけを考えれば、一重で十分だった。しかし、夏の暑さが厳しい地域であることから、倉庫内の環境を考慮して、二重の折板屋根とした。これも、初期投資が多少増しても、最終的に事業性が高まると考える同社の方針が生きた例の一つとなった。

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