太陽光とエコキュートを併設

 挑戦的な目標の前提には、電力の需給バランスを巡る発想の転換がある。「これまでの電力システムは消費者の需要に合わせて電力を供給していたが、天候による再エネ供給量の変化に合わせて消費者側が電力の使い方を調整できれば、太陽光を低コストで持続的に導入できる」(宮古島市企画政策部・エコアイランド推進課)。

 こうした考え方は、「デマンドコントロール(DC:需要制御)」や「デマンドレスポンス(DR:需要応答)」と呼ばれ、蓄電池の利用を最小化しつつ、再エネを大量に導入できる手法として注目されている。こうした需要家側の分散エネルギー機器を集約制御する「アグリゲーター」を模擬した実証事業が、国内各地で試行的に導入されてきた。

 宮古島市で2011年度から始まった「島嶼型スマートコミュニティ実証事業」も、こうした「需要の柔軟化」を目指す実証の1つになる。ただ、2018年度から始まった同事業のフィールド実証が他に比べて画期的なのは、短期的な実証事業ではなく、一般送配電事業者(沖縄電力)とアグリゲーター事業者が連携しつつ、需要家にも、送配電事業者にも利点の大きい持続的な「需要制御の仕組み」を目指している点だ。

図4●太陽光とヒートポンプ給湯機(エコキュート)の基本構成
(出所:ネクステムズ)
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 このフィールド事業で普及を目指している分散型エネルギー機器は、住宅用太陽光発電とヒートポンプ給湯機(エコキュート)、そして家庭用蓄電池とEV(電気自動車)充電器だ(図4)。

 これらはいずれも遠隔から制御できるようにし、太陽光については出力を制御する。加えて、既存の農業用散水栓に遠隔制御可能なシステムを付加し、需要制御に活用する。これは地下ダムに蓄えた水を定期的にサトウキビなどに放水するためのものだ。