探訪

茅野と伊那の発電所に見る「セカンダリー太陽光」の買い方(page 3)

地域や地主との取り決めなど、書類に現れない点も

2019/04/23 05:00
加藤 伸一=日経BP総研 クリーンテックラボ
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稼働後1年間の実績があることが魅力

 エンバイオHDはそれまで、自社単独や他社との合弁企業を通じて、国内で太陽光発電所を開発・運営してきた(関連コラム:パナソニック製「HIT」を採用した守谷市の屋根上メガソーラー)。

 その中で、稼働済みで売電期間が約1年間経過した太陽光発電所を取得することの魅力も感じ始めていた。自社が中期経営計画で掲げていた、合計出力30MWの太陽光発電所の開発・運営を効率的に実現できることも利点だった。

 取得する案件は、稼働してから約1年間が経っていて、評価できる実績がある発電所に絞っていた。未稼働の案件には、開発時に必要な重大な要件の不備などのリスクがある。

 稼働後1年が近づいているタイミングで、開発元のネクストエナジーが、茅野市と伊那市の発電所の売却をエンバイオHDに持ちかけた。ちょうど同社が求めていた稼動期間の発電所で、最終的に両社の条件が折り合い、2カ所とも譲渡された。

 エンバイオHDによると、ネクストエナジーとは合弁会社を通じて太陽光発電所を開発した実績があり、安心感、信頼感が大きかった。それが、両発電所の取得にもつながった。

 ネクストエナジーとの合弁で開発した発電所とは、岡山県久米郡の太陽光パネル出力 2.3738MW、北海道浦幌町のパネル出力約1.95MWのメガソーラーである。岡山県久米郡の発電所は2015年9月、北海道浦幌町の発電所は2017年2月に稼働した(関連コラム:冬に最も発電量を稼ぐ北海道浦幌町のメガソーラー)。

 この2つの発電所も、稼働後にネクストエナジーの持ち分を買い取ってエンバイオHDの100%所有に変わっている。

 岡山県久米郡の発電所は、買取価格が40円/kWh(税抜き:以下同)、太陽光パネルはネクストエナジー製、PCSは日立製作所社製となっている。

 北海道浦幌町の発電所は、買取価格が36円/kWh、太陽光パネルは中国UPSolar製、PCSは東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製の関連機器を中心に一体化したWave Energy(東京都港区)のオールインワン型を導入した。集電盤からPCS、昇圧変圧器などを一体化した製品である。

 茅野市と伊那市の発電所は、買取価格が36円/kWhと32円/kWh、太陽光パネルはネクストエナジー製(図4)、PCSは茅野市の発電所ではドイツのSMAソーラーテクノロジー製、伊那市の発電所では浦幌と同様、TMEIC製の関連機器を中心に一体化したWave Energyのオールインワン型を採用している。

図4●ネクストエナジー製の太陽光パネル
(出所:日経BP)
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