「霧の町」の影響は?

 昨年11月に稼働した「アーク三次太陽光発電所」は、順調に推移している。三次市は「霧の町」として知られる。稼働前から心配していたのは、その霧の影響だった。

 三次市の地形は、四方を山々に囲まれ、江の川・西城川・馬洗川の3本の川が流れることから、秋から早春にかけ、早朝に霧の発生することが多い。標高400m以上の山に登ると、「霧の海」を見ることができ、地域の名物にもなっている(図8)。

図8●高谷山から見た「霧の海」
(出所:三次市ホームページ)
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 霧が早朝から立ちこめていると、天気の良くなることが多いが、ときには昼前まで霧に包まれていることもあるという。本来、発電量を稼げる晴天時の午前中に霧の影響で日照が大幅に減ると、売電ロスにつながる。

 稼働以来、昼近くまで霧が残ったことがあったが、「発電量の目減りは半分程度に留まっており、予想よりも影響は小さかった」という。

 逆に予想以上の発電ロスの大きいことが分かったのが、積雪の影響だった。三次市は隣接する庄原市とともに備北地方と呼ばれ、冬季には寒冷で降雪が珍しくない。中でも「アーク三次太陽光発電所」のある君田町地域は、積雪量が多い。

 今年、2月下旬の午後、取材に訪れた時も、数日前から降った雪が太陽光パネルの多くを覆っていた。設置枚数を優先し、設置角10度、設置高82cmの架台設計としたため、一度、積もってしまうと、なかなか滑り落ちないという。

 それでも、見学した昼過ぎには、徐々に滑り始め、パネル4段からなるアレイのうち、最上の1~2段は顔を出していた。アレイ全体のうち1~2割程度は、雪がなくなっていたが、発電量は約100kWと、ほとんど発電していない状況だった(図9)(図10)。

図9●雪の積もった太陽光パネル
(出所:日経BP)
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図10●設置角10度のため、なかなか滑り落ちない
(出所:日経BP)
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