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発光によるカラス対策の効果は? 琵琶湖のリゾートホテルのメガソーラー(page 5)

ホテルが見回りを担当、環境に配慮しフェンスは茶色に

2019/03/12 05:00
加藤 伸一=日経BP総研 クリーンテックラボ
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カラスが嫌がるパターンのフラッシュ光

 運営上、想定していなかったのは、カバーガラスが割れてしまう太陽光パネルが一定数、出てきたことだった。カラスによる「石落とし」と思われる(図8)。被害は多い時で年に5枚程度となっている。

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図8●カラスが落としたり、架台の隙間に置いたと見られる石
(出所:日経BP)

 メガソーラーの周囲には、田畑だけでなく、林や山もある。そこには、トンビやカラスが多く生息し、メガソーラーの周囲をひっきりなしに飛び交っている(図9)。取材時にも、カラスがアレイの上に止まって休んでいた。

図9●周囲の電柱にもトンビやカラスが多く止まっている
(出所:日経BP)
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 カラスは、太陽光パネルに糞を落とすだけでなく、中には、石をくわえて飛び、太陽光パネルの上に落とすことがある。これによって、カバーガラスが割れる被害に遭うメガソーラーは多い。

 森トラストの場合、カバーガラスの割れを発見すると、すぐにパネルを交換している。ガラスが割れても、それまでと遜色なく発電し続ける場合も多いが、セル(発電素子)が損傷したり、アーク(火花)が生じる遠因となる恐れがある。こうした安全上の理由も重視し、迅速に交換している。

 また、石落としによる被害を防ぐ目的で、発電所内にカラス対策を追加した。アレイの上に向けて、カラスが嫌がるように光を発する機器を取り付けた(図10)。効果を見極めるために、約半分の区域に設置した。

図10●カラスが嫌がるように光を発する
(出所:日経BP)
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 導入したのは、東神電気(大阪市淀川区)製の「ビー・ビー・フラッシュ」である(関連コラム)。

 アレイの高部に、この光を発するLEDライトを設置している。日中、定期的にさまざまなパターンの光を、カラスが嫌がるようにアレイ上空に向けて、ランダムに発する。元々、電柱での活用を想定して開発されたカラスの営巣防止装置である。

 この機器は、太陽光パネルを備えており、専用の外部電源は要らない。小型・軽量で、場所を取らずに架台の隅に簡単に取り付けられる。

 この機器を取り付けた後、太陽光パネルのカバーガラスが石落としによって割れる枚数は、少なくなった。ただし、機器を設置していない区画でも、割れる枚数が減っているので、どこまでが機器による効果なのか、見極めが難しいとしている。

●発電所の概要
名称森トラスト・エネルギーパーク琵琶湖
所在地滋賀県守山市今浜町十軒家
(「琵琶湖マリオットホテル」の隣接地)
太陽光パネルの敷地面積約3万2000m2
発電事業者森トラスト
太陽光パネル容量約2MW
パワーコンディショナー(PCS)容量1.990MW
年間予想発電量約230万kWh
(一般家庭約700世帯の消費電力に相当)
投資額非公開
EPC(設計・調達・建設)サービスきんでん
太陽光パネル非公開
PCS東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製
(出力500kW機・3台、490kW機・1台)
O&M(運用・保守)森トラストグループ
発電開始日2014年12月
買取価格(税抜き)40円/kWh
売電先関西電力
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