発電とともに、材料の参入の可能性を探る

 太陽ホールディングスでは、当初、温暖化や化石資源の枯渇対策など地球環境保全の一環として太陽光発電の検討を始めた。固定価格買取制度(FIT)のスタートによって、事業性が高まったことから、太陽光発電の開発・運営を手掛ける子会社、太陽グリーンエナジーを2014年2月に設立し、発電所の開発に取り組んできた。

 太陽ホールディングスが太陽光発電に参入した目的は、地球環境保全と発電事業による収益確保のほか、もう一つある。太陽インキ製造をはじめとするグループとして、太陽光発電向けの新たな材料を事業化できないか、検証することである。

 ソルダーレジストなどで培った、高分子材料の配合や分散、フォトリソグラフィ、絶縁や導電、接着、熱伝導などの要素技術を生かし、太陽電池の変換効率や耐久性の向上などに寄与できる材料への参入の可能性を探っている。

 最近では、次世代型のペロブスカイト太陽電池にも着目しているという。

 こうした目的から太陽光発電所の開発を目指すなか、特に配慮した点が、「自然や地域環境への負荷を極力、抑えること」(太陽グリーンエナジーの荒神文彦社長)だった。ここに来て、太陽光発電所の開発に伴い、地域住民から反対の声が出ることが目立ち始めたのも、山林などを活用し、樹木を多く伐採するような場合が多い。

 そこで、同社は、ため池の水上を活用する方法に着目した。水上であれば、大規模な土木工事などをせずに開発できる。

 副次的な効果として、ため池の水質の改善に寄与する場合もある。また、結晶シリコン型の太陽光パネルを水の上に設置した場合、夏季にパネルの温度上昇が抑制され、高温によるパネルの変換効率低下を防ぐ効果も期待できる。

 太陽グリーンエナジーが最初に開発した太陽光発電所も、水上型だった。同じ嵐山町内にある嵐山花見台工業団地に隣接する「第3調整池」の水面を活用した「嵐山水上太陽光発電所」である(図2)。連系出力1MWで、太陽光パネルの設置容量は1.153MWとなっている。2015年10月に稼働を開始した。

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図2●嵐山花見台工業団地に隣接する調整池のメガソーラー
出力は1.153MW。嵐山町から借りて設置(出所:日経BP)
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 嵐山町から調整池を借り、発電設備を設置した。水面だけでなく、周囲の護岸も借りている。

 この水上発電所は、FITを活用している。買取価格は36円/kWh(税抜き)で、東京電力グループに売電している。

 年間発電量は、約134万kWhを見込んでいる。初期投資額は、約4億5000万円を要した。