佐渡島の影響で雪は少ない

 「新潟県四ツ郷屋発電所」を見ると、太陽光パネルの傾きは20度程度で、積雪地帯の割には、パネルの角度は大きくない。

 山形県や秋田県、富山県など、日本海側の豪雪地帯では、例えば、パネルの設置を30度、設置高2mで、縦2段の小さめのアレイ(パネルの設置単位)を採用するなど、パネルに積もった雪が滑り落ちやすくした設計が多い。こうした積雪対応型の太陽光発電所に比べると、四ツ郷屋のメガソーラーは、一般的な太陽光発電所の設計に近い。

 太陽光パネルを縦4段・横11列に並べた44枚の大面積アレイを、設置角21.5度、アレイ最低部から地面までの設置高は、約1mとした。九州地方など、ほとんど雪の降らない地域では、設置角15度程度での設計が多いことに比べると、積雪を考慮しているものの、秋田や山形などの豪雪地帯に比べると、その配慮度合いは比較的小さい。

 「新潟県は雪国」というイメージが強いが、同県の積雪量は地域によってかなり差があり、スキー場などが多数立地する中越地域の山間部では数m積もることも多い一方で、日本海沿岸部の平野に広がる新潟市では、それほど雪は多くない。

 年最深積雪の平年値でみると、海岸部で100cm未満、上中越の平野部で100~150cm、山沿いでは200~250cmとなっている。新潟市周辺はさらに雪が少ない。これは同市が北西季節風の際、佐渡島の風下に入り、雪が降りにくくなることが関係している。

 「新潟県四ツ郷屋発電所」では、最深積雪1mを前提に設計したという。積雪地帯の太陽光発電所で厄介なのは、パネルから滑り落ちた雪が山になってアレイ最低部とつながってしまうことだ。そうなると、それ以上、雪が落ちなくなるとともに、融け始めた際にパネルが損傷する恐れがある。そのため豪雪地帯の太陽光発電所は、一冬に何度か、重機などでパネル下の雪山を除く作業を行っている。

 四ツ郷屋地区では、最深雪1mといっても一度に降る雪は多くて20~30cm程度という。そのため、1日に10㎝程度、融けることを前提にすれば、設置高を1m確保したことで、パネルから落ちた雪の山がアレイ最低部とつながってしまう可能性は少なく、冬場の除雪作業は必要ないと見ている(図8)。

図8●設置角21.5度、設置高1mの架台設計とした
(出所:日経BP)
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 ただ、それでも、異例の大雪に備え、架台の耐久性を高めるとともに、アレイとアレイの間隔を3.5m空けておくことで、除雪車が作業できるようにしているという(図9)。

図9●四ツ郷屋地区は比較的、積雪量は少ない
(出所:大林道路)
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