2017年春には13回の「抑制指令」

 壱岐で昼間電力需要が最も小さくなる時期は、春季の休日などで13MW前後になる。再エネの出力増大に伴い、火力発電の出力を絞っていくが、同島のディーゼル発電設備が安定稼働できる最小出力は7.5MWで、それ以上、出力を落とせない。その結果、快晴で7.7MWの太陽光がフル稼働した場合、火力と再エネからの供給電力が、島内の需要を超えてしまう可能性が高くなった。ちなみに、最小出力7.5MWという火力発電の運用パターンに関しては、電力広域的運営推進機関が検証し、「適切」と認められている。

 こうしたなか九電は、2016年4~5月に合計6回、出力抑制(出力制御)の指令を出した。対象となったのは、「壱岐芦辺風力発電所」(1.5MW)と「壱岐ソーラーパーク」(2MW)と、なかはらグループ以外のメガソーラー(1MW)の3サイトだった。抑制指示量の1回当たりの合計は、最小で0.99MW、最大で2.49MWだった。

 2017年春には、さらにメガソーラー(1MW)や事業用低圧太陽光など、なかはらグループ以外の企業が太陽光発電所を新設したことで、島内で稼働する太陽光の合計容量は8.78MWまで増えた。その結果、春季の晴天時に電力の供給過多が予想される日が増え、九電は、2017年3~5月の3カ月間に、合計20回もの出力抑制の指令を出した。抑制指示量の1回当たりの合計は、最小で1MW、最大で4.5MWだった(図2)。

図2●出力抑制を実施した日(2017年5月7日)における壱岐の需給バランスの想定
抑制指令を出した時点(実施日の前日)の想定(出所:電力広域的運営推進機関)
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 九電による抑制指令は、対象サイトに対してローテションで出され、売電損失がほぼ公平になるように配慮される。全部で6回指令のあった2016年春には、なかはらグループのメガソーラーに対しては3回、風力に対しては2回、出された。

 また、2017年春には合計20回の抑制指令のうち、同グループのメガソーラーに対しては13回、風力に対しては8回、出された。