探訪

稼働して約6年、発電量が増える滋賀の「舗装メガソーラー」(page 3)

雑草対策は不要、パネル洗浄も奏功

2019/02/12 06:00
加藤 伸一=日経BP総研 クリーンテックラボ
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アスファルト上でもパネルの温度上昇を防ぐ

 太陽光発電所内のアスファルト舗装には、懸念される点もある。最大の懸念は、土などの地面に比べ、強い日差しにより地表温度が上昇する度合いが高く、結晶シリコン型の太陽光パネルの変換効率が下がる恐れである。

 昭建は、この対策として、アレイ(太陽光パネルを架台に固定する単位)の前後間隔をできる限り詰めて、アレイ間の舗装面積を最小化すること、さらに、アレイ間の舗装の上には、できるだけ影がかかるような設計とした。

 これによって、直射日光が当たる舗装面を最小化し、太陽光パネルの温度上昇を抑えられるようにした。湖南市の発電所では、設置角は10度、アレイの前後間隔は60cmとした(図4)。

図4●設置角は10度、アレイの前後間隔は60cm
太陽光パネルは80セルのタイプ。セルは8×10で並ぶ。湖南市の発電所(出所:日経BP)
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 アレイは、横向き3段で構成した。冬至の日に、最下段のパネルには、影がかかる設計となっている。

 影がかかった場合でも、ストリング(太陽光パネルを接続する単位)の構成を段ごとに分けているため、中段と上段のパネルで構成されるストリングには影のかかるパネルが含まれない。これにより3分の2のストリングは影の影響を受けずに発電できることになる。

 パネルの選択でも、影の影響に配慮した。当時一般的だった60セル品ではなく、「80セル」品を採用した。この製品は、通常の3バイパス回路ではなく、4バイパス回路のため、影の影響でバイパスされるセル(発電素子)の範囲を、通常の3バイパス回路のパネルに比べて減らせる。下から4分の1のセルがバイパスされて発電しない状態になったとしても、残りの3分の4のセルは通常通りに発電できる。

 アレイ間隔を詰めた設計としたことで、太陽光パネルの設置枚数を増やせた。設置角が20度のアレイを並べるスペースが生まれ、それを最後列に配置した。

 また、アレイ間隔をここまで狭めても、草刈りなどは不要なので、人の通れるスペースさえあれば、点検はできるという。

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