パネルは東芝、パワコンはTMEIC

 昨年12月に稼働した「南相馬原町東太陽光発電所」は、津波に被災した海岸地域の農地や居住地域など約50haを活用した。防災集団移転促進事業と土地改良事業法に基づき、南相馬市が使用収益権を取得した。従って、現在の土地所有者は南相馬市になる。

 年間37GWhの発電量を見込み、これは一般家庭約1万世帯分に相当する。固定価格買取制度(FIT)に基づく売電単価は40円/kWhとなる。

 事業主体は、SPC(特定目的会社)のソーラーパワー南相馬・原町で、同社には住友商事が80%、住友商事東北が20%を出資した。みずほ銀行をアレンジャーとしたプロジェクトファイナンスを組成し、SPCに対して融資した。

 EPC(設計・調達・施工)サービスは、東芝エネルギーシステムズと大成建設が担当した。太陽光パネルは東芝製(270W/枚・11万9592枚)、パワーコンディショナー(PCS)は東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製(750kW機・32基)を採用した。東芝エネルギーシステムズは、稼働後のO&M(運営・保守)サービスも担当する(図7)。

図7●パネルは東芝製、PCSは東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を採用
(出所:日経BP)
[画像のクリックで拡大表示]

 住友商事・国内再生可能エネルギー事業チーム長で、ソーラーパワー南相馬・原町の代表を務める平野貴之氏は、竣工式で「用地の集約、軟弱地盤など、事業化までにはいくつものハードルがあったが、関係者の方々の尽力によって完成に至った」と述べた。

 事業用地は、津波のリスクが高く、当初、損害保険の対象にならずプロジェクトファイナンスの組成が難しいことや、元は水田のため地盤が軟弱で低く、水が溜まりやすいなどの課題があった。パネルの設置高を50~70cm確保することや、大成建設の開発した簡易斜杭基礎工法を採用することなどでこうした課題を克服したという(関連記事:福島最大60MWのメガソーラー、津波被災地でも「プロファイ」)。