「避難指示解除」で計画に着手

 住友商事は「南相馬原町東太陽光発電所」に先駆け、2018年3月20日に南相馬市に、パネル出力59.9MW(連系出力45.5MW)のメガソーラー「南相馬真野右田海老太陽光発電所」を稼働しており、両サイトを合わせると、90MWを超える。これらの発電所は、南相馬市の復興計画に組み込まれており、「RE100」を目指す同市の「再エネ推進ビジョン」の象徴的なプロジェクトになっている(図4)。

図4●「南相馬真野右田海老太陽光発電所」
(出所:住友商事)
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 住商の2つのメガソーラーは、鹿島地区と原町地区の津波被災地に建設された。今後、市南部の小高地区の津波被災地にも、パネル出力37~40MWの3つの「特高メガソーラー」が2020年4月頃に稼働することになっている。いずれの立地も、福島第一原発から20km圏内の避難指示解除準備区域だったエリアで、震災後、住民が避難していた。

 これらのエリアは、小高地区の除染が進んだことにより、2016年7月に避難指示が解除され、ようやく市の主導によりメガソーラープロジェクトが動き出した。鹿島地区と原町地区に比べて、計画の進展が遅れたのは、こうした背景がある。

 小高地区の3サイトも、鹿島・原町地区のサイトと同様、市が復興計画に組み込み、民間事業者と連携しながら、開発を後押ししてきた。

 ただ、系統への接続申し込みが遅れたことで、計画が動き出した時には、東北電力の空き用容量がなかった。そのため、福島送電(福島市)の建設している送変電設備を利用して、東京電力に連系することで事業化が可能になった。福島送電とは、福島発電(福島市)と東京電力ホールディングス、東邦銀行の3社が設立した企業で、送電線・変電所の建設および運営を担う事業会社。福島発電には福島県が出資している。