落石や土砂流出、急流となる雨水対策

 由良発電所の開発に際して、地権者や地方自治体などは、採石場としての開発計画が進んでいた区域全体に手を入れることを要望した。途中で採石が止まっていたことによって、当初の計画通りの土砂や排水対策といった、地域の安全に関わる部分も完遂されていない面があったためである。

 例えば、中途半端に切り出された斜面のため、そのままの状態で大雨が続いた場合、排水だけでなく、石や土砂が崩れたりする不安があった。採石が計画通りに終わっていれば、一帯の土地は平坦になるので、こうした懸念は少なくなるはずだった。

 そこで、ガイアパワーは、採石計画が進んでいた区域全体を開発することにした。切り残された斜面などには、植林などの緑化を進め、すり鉢状の底に近い部分に調整池を配置するなど、土地の保全や安全の確保に取り組んだ。

 また、採石場の開発計画には、林地開発許可や農地転用など3種類の許認可が得られていた。採石場の開発計画を生かしながら、この許認可を再び取り直すといった手続きも必要となった。

 太陽光発電設備を設置した面積は約3haで、これに対して、こうした周辺の開発を含めた事業面積は約15haと、約5倍も広い土地の開発が必要になった。

 ガイアパワーにとって、同様の規模のメガソーラーの中では、最も開発費を要した発電所になった。開発費は非公開としている。

 同社では、土地の造成などについては、特にこだわりがあると強調する。どの発電所でも、土砂流れや鉄砲水のような雨水の急流を発生させるような開発は、できるだけ避けている。そこには、同社の藤崎耕治社長が大林組の土木の技術者として積んできた経験も生きているという。

 由良発電所は、その象徴となる案件の一つになった。