探訪

給油所を太陽光に転換、「楽な」O&M目指す赤穂市の発電所

1MWのサイト全面に防草シートを敷設、その効果は?

2019/01/08 05:00
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ
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ガソリンスタンドの数は半減

 兵庫県赤穂市は、浄瑠璃や歌舞伎の演目「元禄 忠臣蔵」の原話となった赤穂事件ゆかりの地。毎年12月14日には同市最大のイベントである赤穂義士祭が行われている。

 かつて赤穂藩は、海岸一帯を干拓して塩田の開発に取り組み、生産した「赤穂の天塩」は、藩の財政を支えた。この地域に塩田が栄えたのは、典型的な瀬戸内海型気候で、雨が少なく温暖だからだ。赤穂の塩田は最盛期には約400haに達したが、現在、跡地は工業団地や公園になり、その一部にはメガソーラー(大規模太陽光発電所)が稼働している。

 JR西日本の赤穂線・播州赤穂駅の近くに本社を構える前田石油(兵庫県赤穂市)は、ガソリンスタンド(給油所)経営や工業用燃料の販売を手掛ける。2017年3月に赤穂市内に約1MWのメガソーラー、同年12月には岡山県備前市に200kWの太陽光発電所を稼働させた。さらに備前市に650kWの案件を建設中で、2018年度内に竣工する予定だ(図1)。

図1●兵庫県赤穂市にある「赤穂市大津字掛山 太陽光発電所」
(出所:日経BP)
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 同社は、1949年の創業以来、ピーク時には赤穂市や備前市を中心に10カ所にガソリンスタンドを展開していた。だが、ここ20年で販売量が減少し、採算の悪化しているスタンドを徐々に閉鎖してきた結果、現在は5カ所まで減ったという。

 前田哲児・取締役会長は、「自動車の保有台数は減っていないものの、燃費の向上で以前ほどガソリンが売れなくなり、かつて全国で約6万カ所だったガソリンスタンドは、いまや約3万カ所に減少した。この地域も例外ではない。よほど立地の良いガソリンスタンドでないと生き残れなくなっている」と漏らす。

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