米Oracle社の製造インダストリー担当バイスプレジデントであるジョン・バーカス氏は2017年12月7日、東京で開催された「Oracle CloudWorld Tokyo 2017」で講演した。講演では1990年代にMRP(Material Requirements Planning)/ERP(Enterprise Resource Planning)の一部だったSCM(Supply Chain Management)アプリケーションが、生産計画/スケジューリング、PLM(Product Lyfecycle Management)、販売計画など対象領域を次々と拡張して複雑化していった経緯と共に、経営者の76%が「現在のERPでは不十分」と考えており、90%近くが「2020年までにSCMアプリケーションのクラウド化が進む」と回答した調査結果などを紹介した。

 講演終了後、Oracle社におけるSCMアプリケーションのクラウド移行状況や移行のためのアプローチなどを聞いた。(聞き手は神近 博三)

――Oracle社のSCMアプリケーションには、オンプレミスで稼働するERPパッケージ「E-Business Suite」のサプライチェーン管理機能、クラウドサービス「Oracle Cloud」で提供する「SCM Cloud」がある。Oracle社のSCMアプリケーションのユーザー企業のうち、何社がオンプレミスからクラウドに移行しているのか。

 具体的なユーザー数は言えないが、Oracle社のSCMアプリケーションのユーザー数はオンプレミス、クラウドを合わせて数万社に達する。SCM Cloudの提供を開始したのは2年ほど前だが、現時点でそのうち数千社が利用している。

 ただし、企業によってはすべてのSCMアプリケーションを一度にクラウドに持っていくわけにはいかない。そこで、我々はクラウド移行に3つのアプローチを用意している。特定の業務プロセスから徐々に移行するやり方、製品単位のモジュールごとに移行するやり方、そして、部門単位で移行するやり方だ。

 最初のやり方は、生産管理のようなコアの業務プロセスをオンプレミスで稼働させたまま、グローバルルールへの準拠と標準化が必要な国際的な調達プロセスをクラウドへ移行するというものだ。例えば、リコーは海外の工場、JALは海外拠点の調達を統合するためにSCM Cloudを導入している。

 興味深いことに、オンプレミスのアプリケーションをカスタマイズしていた企業が、競争が激しくなるなかで自らの行動を修正して競争力を高めるためにクラウドに移行するパターンが出てきている。これまでのカスタマイズが、競争力を高めるうえで必ずしも有効ではなかったことに気づき始めたからだ。

米Oracle社製造インダストリー担当バイスプレジデントのジョン・バーカス氏

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