東北大学は電気抵抗値を決める体積抵抗率を設計・制御できるガラス・金属系複合材料の実用化にメドをつけた。この新しいガラス・金属系複合材料は、一般的に金属などの材料固有値と考えられてきた体積抵抗率を幅広く設計・制御できる特徴がある。加えて複合材料組織としての強化機構が働くために、曲げ強さや破壊じん性値も高く設計できる。開発したのは同大学大学院工学研究科マテリアル・開発系専攻の和久芳春客員教授。和久氏はこの複合材料に「メタセラ材料」という仮称を付けている。

メタセラ材料で作製した平面ヒーターの試作品
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自由な形状で焼結平面ヒーターを作製できる

 ヒーターなどに使う電気抵抗コイルは従来、ニッケル・クロム(NiCr)合金などが主に利用されてきた。ニッケル・クロム合金の体積抵抗率は合金組成によって10-2~10-3Ω・cmの範囲の固有値になる。そのため必要な抵抗値を得るためには、コイル形状などに成形する2次加工が必要になっていた。

メタセラ材料を開発した東北大学大学院工学研究科マテリアル・開発系専攻の和久芳春客員教授
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 今回開発したメタセラ材料は体積抵抗率を10~10-5Ω・cmと100万倍もの範囲で大きく変えられる。このため焼結で作製した平板など単純形状の部品で狙った電気抵抗値を得られる。工程の単純化や安価な材料による生産コスト引き下げ、発熱部品の小型軽量化などにつながる可能性がある。

 メタセラ材料はガラス系材料では一般的なソーダガラス(SiO2,Na2CO3,CaCO3系=酸化ケイ素・炭酸ナトリウム・炭酸カルシウム系)を用い、金属には一般的なニクロム(80質量%Ni・20質量%Cr)を原料とする。

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